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2009年4月20日 (月)

ヨーロッパのデモクラシー

514 網谷龍介先生から、先生が編者の一人となっている『ヨーロッパのデモクラシー』(ナカニシヤ出版)をお送りいただきました。ありがとうございます

http://www.nakanishiya.co.jp/modules/myalbum/photo.php?lid=514

>欧州28ヵ国の最新の政治動向を各国別に紹介する決定版テキスト!

民主主義の赤字、福祉国家の危機、新自由主義、移民とポピュリズム、政治不信……。欧州諸国は民主主義をめぐる様々な困難に、どのように立ち向かおうとしているのか。EU加盟国を中心に、欧州28ヵ国の最新の政治状況を分かりやすく紹介。

ということで、内容は次の通りです。

第1章 ヨーロッパ型デモクラシーの特徴  網谷龍介

ヨーロッパの選挙制度   成廣孝

第2章 EU   南佳利

EUとユーロ圏の拡大   南佳利

第3章 ドイツ   野田昌吾

オーストリア   馬場 優

スイス    岡本三彦

第4章 フランス    川嶋周一

第5章 イギリス    成廣孝

アイルランド共和国と北アイルランド    池田真紀

第6章 イタリア     伊藤武

第7章 オランダ・ベルギー    日野愛郎

ルクセンブルク     門愛子

第8章 北欧諸国(スウェーデン・デンマーク・フィンランド・ノルウェー・アイスランド)  渡辺博明

第9章 南欧諸国(ポルトガル・スペイン)
中島晶子

ギリシア   中島晶子

第10章 中欧諸国(ポーランド・チェコ・スロヴァキア・ハンガリー・スロヴェニア)   中田瑞穂

バルト諸国(エストニア・ラトヴィア・リトアニア) 大中 真

第11章 ルーマニア・ブルガリア   藤嶋 亮

本書には、サポートページがありまして、

http://homepage2.nifty.com/cep/DemocraciesInEurope.html

説明とともに、「はじめに」、第1章、第6章、コラムのサンプルが載っています。

総論でも、各国編でも、二次元の政党配置図というのがあって、これがとても面白い。

総論では、1960年代は左から右に、共産、社民、キリスト教民主主義、リベラルという順番に並んでいたのが(リベラルは最右翼なんですよ。ヨーロッパでは)、1990年代以降、文化的対立を加えて二次元的対立になったとして、上から下に自己決定から伝統的価値に並ぶ縦軸を加えて、上に緑、下にポピュリスト右翼という配置図を描いています。

ドイツの配置図はこれに近くて、横軸は左から右に国家介入主義から市場主義に並び、縦軸は上から下に自由から権威に並ぶ。左翼党は左下で、自由民主党は右上で、緑の党は真ん中の一番上ですね。

フランスの枠組みは、横軸は左が左翼で右が右翼(わかりやすい)、縦軸は上がディリジズムで下が自由主義的と、上下が逆転しています。共産は左上、国民戦線は右上。

イギリスはそういう絵解きはなくて、保守党、労働党、自由民主党、地域政党を縷々説明しています。

イタリアは、いまだに二次元じゃなくて、一次元の線上にずらずらと並んでいますね。

オランダはいうまでもなくそのほかの諸国の横軸に当たる「雇用者-労働者」の亀裂と並んで宗教的亀裂、ベルギーは言語的亀裂というのが軸になりますね。

というふうな感じで、あっちこっちつまみ食いしながら読むと、興味が増します。

ちなみに、ルクセンブルクの政治がルクセンブルク・モデルと呼ばれるネオ・コーポラティズム体制としてしっかり紹介されたのって、これが初めてじゃないでしょうか。

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コメント

わざわざエントリーを立ててご紹介いただき恐縮です.

政党配置概念図は,執筆者に文字通り蛮勇を奮って作
っていただいたものなので,ご紹介いただいたような
形で,「頭の体操」に使っていただければ本望です.

なお,今回は話をわかりやすくするためにまずは政党
政治に焦点を当てましたが,濱口先生がよくご存じの
通り,労組をはじめとする諸団体の政策過程への関与
にも,共通性と差異があり,それが政策内容に影響す
ることもありますので,その辺りを軸にした検討も行
う機会があれば,と思っております.

こちらこそ、好き勝手な紹介で恐縮です。

「労組をはじめとした諸団体の政策過程への関与」には、是非網谷先生をはじめとする政治学者の方々の研究を期待しております。

実は、昨年ジュリストに書いた三者構成関係の文章などでも、知ったかぶりしていくつかの国における立法過程への労使の関与に触れているのですが、そもそもそれら諸国の憲法や政治システムについてきちんと勉強していないで(まさに「一知半解」!)書いているものですから。

濱田先生

初めてコメントさせていただきます。ルクセンブルクの章の執筆者です。ルクセンブルクへのコメント嬉しく拝見しました。

ルクセンブルクの政労使関係は非常に興味深い形態を維持しているところ、ご認識のとおり日本では殆ど紹介されておらず、残念に思っておりました。私は、大学院でフランスの農業セクターにおけるコーポラティズムを研究し、外務省専門調査員時代にルク政府関係者との接触から勉強させてもらいました。
今回、このような貴重な機会を頂戴し、日本で政治学を勉強される方に小国ルクセンブルクを知ってもらうことが出来たら嬉しく思っています。

門さま、コメントありがとうございます

そうですね、EUの政策文書では一応各国平等に記述されるので、ルクセンブルクの制度がドイツやフランスと並んでいてもあんまり不思議に思わないのですが、一般の政治経済に関するものだと、ルクセンブルクが独立に取り上げられることはほとんどないでしょうね。

わたしは3年間ベルギーにいて近かったこともあり、何回か訪れていますし、特に1997年のルクセンブルク雇用欧州理事会のときは代表部から「取材」にいったり(そのとき、岩崎大使は『ルクセンブルクの歴史』の翻訳の真っ最中でしたが)しているので、何となく親近感はあります。

車に乗って向かってると、気がつくと通り過ぎてトリーアに着いてしまってたりするくらい小さな国でしたが。

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