同居の親族の労働者性
いや、同居の親族も労働者ですよ。そのことに疑いはありません。だって、労働基準法第116条第2項は、
>この法律は、同居の親族のみを使用する事業及び家事使用人については、適用しない。
と、わざわざ適用除外しているのですから、本来労働基準法上の労働者に当たることは疑いはありません。
ただ、まあ、こうして労働法の大本たる親亀法で適用除外しているので、子亀孫亀にあたる法律でも、当然のように適用除外してきたわけですね。中小企業退職金共済法もその一つ。ところが、与党の税制改正要望で、青色事業専従者についても中退共済に入れろといわれ、
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/04/dl/s0407-2e.pdf
早速この4月から、中小企業退職金共済制度の加入対象者の範囲に関する検討会を開催することとなったわけです。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/04/s0407-2.html
検討の視点(案)をみると、
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/04/dl/s0407-2d.pdf
やはり他の労働法制との整合性を気にしているようです。
ただね、これはむしろ、労働法では各法律ごとに対象となる「労働者」は異なっていいんだ、それが当たり前なんだ、という発想をもっと一般化するためのいい機会ではないかという気もします。
親亀である労基法と労組法についても、違ってていいじゃないかというのが労働法学者のコンセンサスだと思うのですが(だからプロ野球選手会は都労委で労働組合として認められたんですが)、問題が裁判所に持ち込まれると、やたらに頭の固い裁判官たちが、かつて「労働基準法研究会」がつくった労基法上の労働者性の判断基準を後生大事に抱え込んで、「おまえなんか労働者じゃねえ」という風になってしまうわけです。
まあ、同居の親族はそもそも労働者ですから、そこまでの話ではないんですが。
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