働く人をとりまく法律入門
大内伸哉編著『働く人をとりまく法律入門』(ミネルヴァ書房)をいただきました。いつも有り難うございます。
http://www.minervashobo.co.jp/find/details.php?isbn=05445-9
>実務を見据え、法分野の横断的な理解を深めよう
科目応用的なテーマを扱いながら、労働に関する論点を広く大きく理解する
働く人をとりまく法的ルールを、分野横断的に概観し、多様な法分野の基本を学ぶ。理論・実務双方からのアプローチに加え、重要テーマとして注目される知的財産法、国際的労働関係も盛り込んだ。
ということなんですが、扱う法律によって、総論的から各論的まで、入門的から応用的まで、ばらつきがあるように感じました。ただ、それは当たり前なんですね。
目次を見ればわかるように、
はしがき
――本書の紹介をかねて
第 I 部 労働法
第1章 労働者を保護するための法的ルール
――労働法(実体法)
第2章 雇用の場におけるトラブルを解決するための法的手続
――労働法(手続法)
第II部 諸 法
第3章 働く人にとっての基本的人権
――憲法
第4章 雇用(労働)契約は、どのような契約なのか
――民法
第5章 会社の経営において、労働者の利益はどこまで守られるのか
――会社法
第6章 労働者のために、行政は何をしてくれるのか
――行政法
第7章 給料や退職金はどのように課税されるのか
――租税法
第8章 労働者の生活保障のために、国はどこまでのことをしてくれるのか
――社会保障法
第9章 労働者の発明は、誰のものか。
企業内の著作物の利用はどこまで許されるのか――知的財産法
第10章 会社の倒産時に、従業員の給料債券は、どこまで保護されるのか
――倒産法
第11章 国際的な労働紛争は、どの国の裁判所で、
どの国の法律によって解決されるのか
――国際私法・国際民事手続法
第12章 労働をめぐる紛争は、どのように起きているのか
――法社会学
その法律分野にとって、労働に関わることがどれくらいのシェアを占めているかによって、総論的入門的になれば、各論的応用的にもなるわけで。
その意味では、本書を一番面白く読めるのは、労働法をある程度知っている人が、他分野における労働に関わるトピックを読むところではないかなと思います。
ほかではほとんど扱われないテーマとしては、第6章の労働行政法でしょうか。
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