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2009年3月25日 (水)

出先機関改革に係る工程表への連合談話

昨日、政府の地方分権改革推進本部は「出先機関改革に係る工程表」を決定したようです。ようですというのは、推進本部のHPにはまだその工程表なるものがアップされていないからですが、報道によると、労働局をブロック機関にするとか、ハロワの人員を大量削減するといった事項は入っていないようです。

本ブログの方針として、新聞報道だけであれこれ書かないことにしているのですが、連合が昨日早速事務局長談話を発表しているので、それを紹介しておきます。

http://www.jtuc-rengo.or.jp/news/danwa/2009/20090324_1237890166.html

>昨年12月8日に地方分権改革推進委員会がまとめた「第2次勧告」は、ハローワークの漸次縮小および地方への移管、都道府県労働局をブロック機関化し地方厚生局と統合することを求めていたが、今回の工程表にはこれらは盛り込まれなかった。厳しい雇用・失業情勢が続き、労働行政の役割の重要性が高まる中で、当然の判断である。

これはもう、誰が考えても、いまこの時期にそんなもの打ち出したらどうなるか、常識のある人ならわかるはずのものです。

ちなみに、地方分権改革推進委員会でも、昨年12月8日の会合で、西尾勝委員長代理が、こういう発言をされていたわけですが、

http://www.cao.go.jp/bunken-kaikaku/iinkai/kaisai/dai69/69gijiroku.pdf

>(猪瀬委員) 少し実態的に言うと、まずハローワークに1万2,000 人いる。ILO条約の問題がありますが、ILO条約に関してはネットワークの脊椎があればよいのですから、基本的に地方に移管するという方向性を明示すればよいと思います・・・・

(西尾委員長代理) 私は、それには絶対反対です。今、ここにわざわざ「現下の厳しい経済・雇用情勢にかんがみ」と書いてあるとおり、本当にそういう状況であるわけです。今、ハローワークの窓口に来ている失業者等は、従前の倍以上になっています。大変な人数が各地のハローワークに押し掛けている状況です。麻生政権が、目下最も力を入れているのは雇用対策であり、雇用対策をめぐって次々に総理から指示が出ているわけです。新聞報道によれば、そういう一環として、都道府県単位に雇用基金を設けるとか、総額何兆円のお金を使おうかという話まで出てきているわけです。全体に都道府県が協力してでも、国も膨張して、この分野を何とかしなければならないという時勢なのです。
そのことは上には書いてあります。そのときに、何行か下ると、幾ら「将来的に」と書いてあっても、1万2,000 人は無くすのだという話が、今、受け入れられると思いますか。それは恐ろしく政治の現実から外れていますよ。

結局「恐ろしく政治の現実から外れた」第2次勧告を出して、予定通り工程表にはいらなかったわけです。

その理由は、まさに連合談話がいうように、

>工程表は、「出先機関の統廃合、地域との連携やガバナンスの確保の仕組みなど、第2次勧告で示された出先機関の組織の改革の方向性に沿って検討を進め、改革大綱に盛り込む」としている。しかし、「第2次勧告」は、ハローワークなど労働行政の最大ユーザーである労使の声を踏まえたものとはなっていない。また、「第2次勧告」は、ブロック機関化した場合に、都道府県労働局が担っている労働者派遣事業の指導監督や個別労働紛争処理などの機能をどのようにして維持するのかという点も検討されていない。今後、地方分権改革大綱を定めるにあたっては、労働行政の後退とならないよう「第2次勧告」ありきではなく、慎重に検討すべきである。

全国の各地域において、すべての労働者が職業紹介や能力開発、労働相談等に関する行政サービス・支援を十分に受けられることが、労働行政の基本である。その視点に立てば、「第2次勧告」は、労働者・国民の立場からは疑問のある内容である。連合は、昨年12月には厚生労働省に対して「労働行政の充実・強化に関する要請」を行い、[1]都道府県労働局のブロック化により、労働行政の後退とならない体制整備、[2]ハローワークの全国ネットワークの維持及び体制の拡充・強化などを求めた。また、労働政策審議会においても、その旨を繰り返し主張してきた。

地方分権そのものは否定されるものではない。しかし、国民生活への影響を顧みずに、削減や統廃合ありきの改革では、何のための地方分権なのか、その目的を失したものとなる。連合は、今後のわが国の経済・社会のあり方も見据え、国民のくらしを豊かにするための地方分権を求めていく。

まあ、現実の具体的な中央省庁の出先機関がどれだけきちんと仕事をしていて、あるいはしていないか、というところから出発するのではなく、チホー分権という絶対真理を実現することが自己目的化した方々が多すぎたということでしょうか。

各分野の出先機関の統廃合の是非はそれぞれにそれぞれの分野ごとに吟味して、必要があれば断行すればよいのであって(まさに必要がある分野もあるのでしょうから)、これをもって、脊髄反射的に「骨抜き」とか書いてしまう一部マスコミの単細胞も猛省が必要ですが。

ちなみに、西尾委員長代理は、問題の構造をよく理解した上で、なんとか地方分権という理念と折り合わせたいと考えておられることが、同じ議事録の次の一節からもよくわかります。

>(西尾委員長代理) この委員会の場でこれまで何度も厚生労働省とここで議論をしてきたわけです。その結果を踏まえると、やはり都道府県労働局の廃止ということは考えられない。一つは、委員長は終始、今でも御異論があるのですが、ILO87 号条約についてもこれは国の責務であると、外務省の国際法局まで出てきて、政府としては国の責務と解釈せざるを得ないと答弁したわけです。国内法についての内閣法制局の解釈に相当する、条約の解釈について政府解釈をする権限を持っている外務省が、そういう解釈を示したわけです。そうすると、これは国の責務であるということになると、少なくとも全国的なネットワーク、基幹的な部分は最低限国の責務としてやっていますということを言わなければいけない国際上の義務を負っているというのが、厚生労働省の考え方であるわけです。この委員会は、その壁を突き崩せなかったということが、一つです。
それから、雇用保険とも一体的に運用されている事務である。雇用保険を都道府県単位に解体するわけにもいかない。全国一元的に運営されている保険というものと密接にリンクしているということです。また、求人情報の全国的なネットワークを誰かが維持管理し続けなければならないという意味もあるようです。そういうことから言うと、厚生労働省職業安定局以下の国の役所がやらなければいけないものは、依然として残らざるを得ないわけです。それを全面的に都道府県に移譲するということはできない。
そうなると、どうやってこれから都道府県の役割を拡大し、国のやってきた役割を縮小していくかということが課題となります。そのことについて種々議論してきた結果、要するに、民間事業者と同じような無料職業紹介事業者として都道府県を位置付けているだけではだめである。国と都道府県が全く対等、同列な関係で公共職業紹介事業に従事する必要がある。両方が協働してやっていくのだという理念をまず明確にしなさいということです。また、求人情報等は、ハローワークで使っているものと全く同じものを都道府県等に使わせようということです。そして、雇用保険の窓口は、都道府県の窓口では受け付けられないということになると、失業者にとっては大変不便ですから、その受付業務はやれるようにしてくれと言っています。これらの「そこはやります」と答えた結果は、すべてここに書いてあるわけです。
そこまでやってきたら、これから徐々に都道府県のハローワークというものを拡大していって、順次国に入れ替わっていくというのが、私は妥当なやり方だと思います。現在、確かに都道府県でどんどん就労関係の仕事を担い始めました。中でも、大阪府、東京都、京都府など幾つかの県では、かなり熱心に取り組み出しています。それらのところでは、我々にやらせればできるという自負をもう持っているでしょう。しかし、それはまだ47 都道府県の中では数えるほどです。他の府県は全くそのようにはなっていません。そういう状態からこれからやっていくのです。そのときに、47 都道府県が直ちに国に代わってやれと言っても、そんな性急にできるはずがありません。徐々に都道府県の役割を拡大して、実績を示しながら変えていくという途をとるのが、私は順当な経過だと考えています。

雇用対策が地方行政と密接不可分であることも確かなのですから、問題はなんで「国と都道府県が全く対等、同列な関係で公共職業紹介事業に従事する必要がある」のかというところに行き着くんですね。地方分権改革の出発点のボタンの掛け違いはそこにあると思うのですが。

やらないことが許されないことを、やるもやらぬも俺様の胸先三寸にしなければいけないとこだわるから、やらないことがあり得るんならおまえにやらせられないんだよ、ということになるわけで。

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