雇用、政労使で緊急協議 安全網整備へ足並み
本日の日経ですが、
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090303AT3S0201P02032009.html
>政府、日本経団連、連合は景気の急激な悪化を受け、政労使3者による緊急の雇用対策協議の検討に入った。経団連と連合が3日午後、舛添要一厚生労働相に共同で協議を申し入れる。雇用調整助成金制度の拡充や地域の雇用創出に向けた基金の活用などが検討の柱になる。雇用不安が広がるなか、ワークシェアリング(仕事の分かち合い)も課題で、働き手の安全網の整備に向け、政労使が約7年ぶりに足並みをそろえる形になる。
経団連と連合の申し入れについて、政府関係者は「雇用情勢が悪いため労使の要請を拒否する理由はない」としている。3者による協議の枠組みや頻度はこれから詰めるが、雇用維持に主眼を置いた緊急の話し合いは前回の景気後退期の2002年に、オランダを参考にワークシェアリングの定義で合意して以来。オランダも正社員の短時間勤務導入など政労使の協議で成果を挙げている。
最後のあたりがいささか歴史認識が怪しげ(「雇用維持に主眼」で「オランダを参考」に「成果を挙げた」んですか、そうですか・・・)ですが、まあ、検討の柱は「雇用調整助成金制度の拡充や地域の雇用創出に向けた基金の活用」と、政府のやるべきことの要求のようなので、それは当然合意するでしょうね。この事態を前にしては、財務省も反対はできないでしょうし。
ネットに載っていない紙の記事では「これまでの雇用の安全網から漏れてしまう離職者を対象とする生活保障制度の創設」が検討課題と書いてあります。昨日のエントリにも書いたこの失業扶助型セーフティネットが、中心課題でしょう。現在の所、日本経団連も連合も、職業訓練の受講を条件とする生活費支給という方向のようですが、私はそれだけでいいのか、いささか疑問もあります。雇用保険が切れたあとの給付は訓練受講を条件付けるのはいいと思いますが、こぼれ落ち組にまで一律に訓練受講を義務づけるべきなのかは一考を要するでしょう。
ちなみに、マスコミが大好きな(いまだにほとんど毎日取材があります・・・今日も)ワークシェアリングですが、「個別企業の労使間の合意を基本的条件に挙げ、議論を深める」んだそうです。ナショナルセンターレベルでは同床異夢にならざるを得ないのですから、そういう言い方しかできませんよねえ。
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ワークシェアもワークライフバランスも、日本ではなぜ「個別企業の努力」の問題にしかならないんでしょうね。
特にワークライフバランス、このご時勢でそれどころじゃない、という雰囲気ですが、これは、アメリカでは個別企業の問題かもしれないけれど、ヨーロッパでは、国の政策の話ですよね。しかも、ヨーロッパレベルで数値目標まで設定されている・・・。
http://www.deljpn.ec.europa.eu/data/current/europe2007summer01.pdf
ここにありますけれど、まず「保育」、次に「労働時間制度」、と国の政策の問題ですね。それを、企業での両立支援の問題にするかえているのは、厚生労働省や内閣府も悪いのでは、とぶらり庵は思いますが。
投稿: ぶらり庵 | 2009年3月 3日 (火) 23時13分