両陛下、産業殉職者をご慰霊
本日、天皇皇后両陛下が高尾みころも霊堂を訪れ、建設現場などで死亡した産業殉職者を慰霊されました。産経より
http://sankei.jp.msn.com/culture/imperial/090323/imp0903231113001-n1.htm
>両陛下がこの霊堂を訪問されたのは、平成になってから初めて。
霊堂には22万3305人が合祀(平成19年末現在)されている。両陛下は午前10時半過ぎに車でご到着。霊堂内の拝殿で白菊を供花し、一礼された。
宮内庁によると、両陛下は昭和47年の開堂慰霊式に出席後、5年ごとに合祀慰霊式に臨まれていた。
平成に入ってからは皇太子さまに引き継いでいたが、今年がご即位20年の節目に当たることから、訪問されることになった。
この高尾みころも霊堂というのは、厚生労働省の外郭団体である労働者健康福祉機構が建立運営する施設です。
http://www.rofuku.go.jp/kanrenshisetu/mikoromo.html
>高尾みころも霊堂は、産業災害により殉職されたかたがたの尊い御霊をお慰めするため、労働者健康福祉機構(労働福祉事業団)が、昭和47年6月に労災保険法施行20周年を記念して建立したものです。開堂以来、毎年秋に各都道府県の遺族代表をはじめ政財界、労働団体の代表等をお招きし、産業殉職者合祀慰霊式を挙行するほか、多彩な行事を催し、御霊をお慰めしております。
>1 拝 殿
中央の拝殿は、この霊堂のシンボルゾーンであって、ここには産業殉職者のかたがたの霊位 が奉安され、永遠の灯がともされて、殉職者の御霊を光明の世界に導いています。
また、拝殿の裏側には、「天地」像、「日光」「月光」の両像が安置されており、絵画「静進(あゆみ)」と「曙光(あけぼの)」が掲げられております。
天地像は、日本芸術院会員晝間弘先生の作、悠久の宇宙を象徴しております。
日光、月光像は、二紀会審査員滝川毘堂先生の作、絶えることのない慈悲を象徴しております。
絵画「静進(あゆみ)」は「曙光(あけぼの)」とともに院展会員月岡栄貴画伯の作品、 「静進(あゆみ)」は現在を、「曙光(あけぼの)」は過去を象徴しております。
2 祭祀室
祭祀室は、御遺族のかたがたが慰霊を行われる場合の利便を考えて設けられたものです。
仏教のかたがたのために、「釈迦如来」と「阿弥陀如来」の二つの仏壇が設けられています。
神道のかたがたのために、神殿を設けてあります。
キリスト教の祭壇は、キリスト誕生にちなみ馬小屋がデザインされ、正面 には鉄製の十字架が、壁には鳩が表されています。
およそ「霊を慰める」という感覚自体がすぐれて宗教的なものである以上、こういう宗教的な施設であることはなんら不思議ではないわけで、これをもって政教分離という憲法の原則を踏みにじる許し難い暴挙だなどと非難する方はあまりおられないと思います。
そういえば、むかし本ブログで、EUとも労働とも全然関係ない雑件として、こういうエントリを書いたことがありましたが、
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2006/07/post_5ca4.html(法政策としての靖国問題)
>・・・今頃は厚生労働省社会・援護局所管の独立行政法人靖国慰霊堂という風になっていたと思われますが、その道を選ばなかった。
もちろん、靖国神社が今のような道をあえて選んできたのはそれなりの理由のあることですから、よそからとやかく言うことではありませんが、その結果、産業殉職者は天皇皇后両陛下に慰霊していただけるのに対し、戦争による殉職者はそうしていただけない状態になっているわけで、そのことの利害得失はよく考えてみる値打ちはあるように思われます。
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