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2009年3月24日 (火)

子供の教育費は親の責任?

日経ビジネスオンラインの本日の記事は、最近私が考えてきていることと大変共通しているので、紹介しておきます。筆者はフィナンシャルプランナーの内藤真弓氏で、この間はをいをいだったのでちょいとからかいましたが、本日の記事はきわめてまっとうです。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20090323/189696/

>日本に住んでいると、当たり前のように「子供の教育費は親の責任」と思ってしまいます。でも、先進諸国では教育費は公費で賄われる割合が高く、親の負担は全くないか、あってもわずかというのは珍しくありません。

 たとえば、スウェーデンでは大学の学費は誰もが無料であるばかりでなく、返済不要の教育手当が年間48万円程度支給され、必要に応じて年間最高85万円程度の学生ローンが受けられます。このローンは定年まで借りられます。

 そのため、日本のように高校を卒業してそのまま大学入学というコースだけでなく、一度就職した後に入学するとか、市の成人高校で学習をし直してから入学するコースがあります。私の知人は昨年からスウェーデンの大学に留学していますが、外国人も学費は無料で、生活にかかるお金も少なくて済むので、安心して勉強に励めるそうです。

 ドイツやフランスの大学も学費無料、英国は年間19万円程度かかりますが、4割の学生が学費免除を受けているそうです。米国は47万円くらいですが、奨学金の制度が発達しているようです。日本は国立大学の初年度納入金が82万円程度、私立大学が131万円程度ですから、親の負担の重さは断トツです。しかも金利が低い国の教育ローンは縮小されており、親の所得制限があります。

重要なのは、教育費の問題は文部省的な意味での教育問題ではなく、すぐれて社会保障問題だということです。

>ある公立高校の教師の方から、「今年の卒業生の中に、とても成績優秀だったのに家庭の事情で進学がかなわず、就職を選んだ生徒がいるんです」とお聞きしました。教育費が賄えないだけではなく、一家の収入の担い手として期待されたという事情もあったようです。就職できればまだよいのですが、高卒での就職は大変厳しい状況です。進学がかなわず、就職もできないとなれば、将来にわたって安定した労働市場から排除される可能性が高まります。

 社会保障と言えば一部の弱者のためのものといったイメージを持ちますが、海外では賃金プラス社会保障で暮らすのが当たり前という感覚のようです。税金や社会保険料として払ったものを、保育、教育、介護、医療など、必要に応じてすべての人が無料もしくは低い負担でアクセスできる形で還元すれば、勤労世帯にも分配が広く行き渡ります。国力の向上や社会の安定という点からも、勤労世帯にこそ教育をはじめとする社会保障給付を行うべきでしょう。

そして、それは可哀想だからお恵みをするのではなく、国家の将来にとって必要だから行う公的投資だということが重要です。

>国は少子化対策に頭を悩ませているようですが、子供の教育を親の責任に押しつけている限り、子供が増えるはずはありません。まして、せっかく育てた子供が社会から大切にされないと思えばなおさらです。

 海外で教育費や職業訓練などを公費で負担しているのは、親切だからではなく、それが国益になると判断しているからでしょう。親の経済力にかかわらず、平等に教育を受ける機会が与えられ、能力に応じてさらなる高等教育へのアクセスが確保されることは、国全体の基礎力を底上げすることにつながるはずです。

 社会全体で子供を育てる政策を実現し、「子供の教育費は親の責任」からの転換を望みます。

このあたりの感覚を世の中に伝えるのがなかなか難しいわけですが。

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コメント

おおむね同意で、国家がもっと教育費を持つべきなのは同意。教育には社会に対し正の外部性があり、国家や社会が恩恵を受けます。
しかし、大学「教育」はこれに応える必要が出てきますよね。
私の出身の京大なんて、「単なる研究機関」(あえてこの単語を使います)であって、ゼミを除けば全く「教育機関」ではなかったですから。
一橋や慶應みたいな実学大学を更に発展させ、
研究大学はごく一部にするのか。

あと、欧州は階級社会である影響が大きいのでは?
生まれで階層が決まっているから、教育で争いが起きにくい。
日本は階級社会ではなく(一応)、大学の偏差値レベルで職業階層がフィルタリングされる現実があるので、
いわゆる教育も本人の階層上層のための自己利益インセンティブになっています。受験競争が激しい理由。
この自己利益的誘因(良い職業を得るため高偏差値大学に入る努力だけをして大学で勉強しない!)
がある限り、公的助成は厳しいような…
はまちゃん先生もおっしゃてましたよね。
大学教育レリバンス・研究大学・単なるシグナリング…大学のあり方自体をガラガラぽんしないと難しそうです。
先ずは、職業訓練実務家養成に特化した大学を作って、
そこだけ無料にして順次変えていくことですかねえ?

近時の最高指導者の出身階層を比べれば,欧州の方が日本よりも階級社会であるとは必ずしも言えないように思われます。

>先進諸国では教育費は公費で賄われる割合が高く、親の負担は全くないか、あってもわずかというのは珍しくありません。

仮定の話、日本で大学の学費を無料にしたとしても、親の収入格差による教育格差が縮まるとは断言できません。

なぜなら日本の大学の価値とは「偏差値」と「大学の所在地」で決定してしまうので、一流大学に入りたければ、親があらかじめ塾・予備校にどれだけの金額を捨てられるかで結果が決まってしまいます。

特に2009年の受験戦線などは、地方の有力国立大がかなり受験者を減らしたと聞いています。他府県から越境して受験しにくる高校生の数が減ったからで、その背後には親の余裕のなさがあることは明らかです。

日本には放送大学もあるし、放送大学・学部から東大や京大の院への合格者も実際に出ているのに、そういう「学部の教育力」をめぐる話題をあまり聞きません。放送大学を出て臨床心理士資格を得ることも可能なのですが、そういう「格差を縮めるような教育インフラ」をもっとアッピールし、充実させていくことが必要です。

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