『世界』誌3月号の拙論文
岩波の『世界』誌の4月号が本日発売されたので、3月号に掲載されたわたくしの「派遣法をどう改正すべきか」をアップしておきます。
http://homepage3.nifty.com/hamachan/sekaihaken.html
これはすでに、経済産業研究所のHPで、大竹文雄先生が書かれた「景気悪化と非正規雇用」の中で引用されるなど、それなりに影響を及ぼしているようです。
http://www.rieti.go.jp/jp/projects/employment_crisis/column_05.html
>製造業への派遣が認められているのは日本だけだという誤解も多い。しかし、労働政策研究・研修機構の濱口桂一郎氏が『世界』(2009年3月号)の論説で書いているように、EUにおいても、現在では派遣は業務限定がなされていないどころか派遣で業務限定をすることが違法になっているのである。つまり、派遣先の業務が問題なのではなく、派遣先の労働条件や技能の向上を促進するような制度作りを考えることが重要なのである。
同趣旨は朝日の「Globe」でも書かれていました。
また、4日のエントリで書いたように、3日の経済財政諮問会議に出された「人財力戦略」(労務屋さんからこの言葉のセンスに痛烈な皮肉が投げかけられていましたが)の中でも、拙論文で紹介した「フランスの派遣労働者訓練基金を参考として」「優良な派遣事業者の訓練主体としての活用」という項目が上がっていました。
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/post-fca4.html
なお、本日発売の4月号は「人を裁くとは?――裁判員制度実施を前に考える」という特集ですので、本ブログとは直接関係ありませんが、ひとつ、朝日の竹信記者の「真のワークシェアリングとは何か」が載っています。
http://www.iwanami.co.jp/sekai/2009/04/directory.html
>大量解雇が相次ぐ中で、ワークシェアリング論議が盛り上がってきた。「前例がない」といわれるほどの経済危機の中で、「働き手が仕事(ワーク)を分け合って(シェア)して失業を防ぐ」という社会連帯の雇用創出策に人々が夢と期待を託すのは当然かもしれない。だが、現在のワークシェアリングは、連帯に必要な条件を検証することないまま「賃下げを伴う雇用維持」が一人歩きし、上滑りと空洞化への道をたどり続けているように見える。助け合いの精神を基盤にしたワークシェアリングが、その本来の意味を取り戻すためには、いまのワークシェアリング論が抱える問題点を検証し、真のワークシェアリングのための条件整備を進める必要がある。
この中でも、私が2002年頃某所で喋り、近頃またマスコミの皆様に喋ってきている話を引用していただいております。
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コメント
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最近の報道の、いろんな企業での「ワークシェアリング」は、「操短」や「レイオフ」とどこが違うのだろうと思います。
単に、その方が聞こえが良くて、最近の流行語だからというのでは?
昔は「ズボン」と言ったのを「パンツ」と言っているが、おじさんがはいているものは同じもの、というような感じですね。
投稿: ぶらり庵 | 2009年3月 8日 (日) 06時03分