「霞ヶ関の埋蔵金男」いまだ懺悔なし
人事コンサルタント失格の城繁幸氏と同じく、同じVoice誌に自称「霞ヶ関の埋蔵金男」こと高橋洋一氏のひどい論考が載っています。
http://news.goo.ne.jp/article/php/world/asia/php-20090314-06.html(“給料半減”時代の経済学)
>いまセーフティネットの議論が盛んに行なわれている。定額給付金をセーフティネットとして位置付ける議論もある。ならば、たとえば、まさに国家のセーフティネットである雇用保険制度のなかに埋め隠されて眠っている埋蔵金を一大セーフティネットとして活用することを提言したい。
そもそも、雇用保険の特別会計のなかに眠りつづける埋蔵金は国が保険料を徴求しすぎた結果のものである。セーフティネットが必要ないまこそ、雇用保険の対象を広げて余剰資金を広範に世の中に散布すべきではないか。
この期に及んで、いまだに雇用保険の積立金に「埋蔵金」などというレッテルを貼って恬として恥じないこの神経が信じられません。
もっとも、さすがに世の中の動向に無神経ではないと見えて、「一大セーフティネットとして活用」と正しいことをいっています。それはそうでしょう、だって、雇用保険はそもそも「まさに国家のセーフティネットである」ことははじめから明らかなんだから、セーフティネットとして積み立てていたものをセーフティネットとしてつかえというのはトートロジー。
どうして、こういう訳の分からないことをいわざるを得ないのかというと、この高橋洋一という御仁、ちょっと前には、こういうことを書いていたのです。去年の9月の時点で同じVoice誌に書かれたものですが、すでに金融危機の影響がこれから日本に押し寄せてきて、失業状況がどうなるかと心ある人々が心を痛めていたときに、
>もう1つは、労働保険特会である。先に指摘したとおり、雇用保険料が高すぎるのか、0.8兆円もカネが余っている。にもかかわらず、一般会計から毎年0.2兆円が投入されている。
すき焼き三昧の離れに、粥をすすっている母屋から仕送りをする必要はなく、すぐ停止すべきだ。「骨太2006」では、社会保障費の自然増分を年に2200億円ずつ抑制するとされ、それは難しいと厚生労働省は文句をいっている。だが、自分たちがもっている労働保険特会の埋蔵金だけで解決できる。さらに、労働保険はストックベースでも4兆円以上余っているので、それらを取り崩しながら、長期的に維持可能な社会保障システムを考えたらいいだろう。
こうしたお金をうまく使わなければ、無駄なお金といわれてしまうだろう。
失業急増を目の前にして、雇用保険がいざというときのセーフテイネットであるということにはまったく何の配慮もなく、「雇用保険料が高すぎる」とか「無駄なお金」とか書いていたことには何の反省も懺悔もなく、上のようなことを書ける神経というのは、私には信じられないのですが、日本のある種の人々には。こういう方を崇拝する向きもあるようですね。
この埋蔵金男氏、財務省出身でありながら財務省に睨まれているというのがマスコミ向けの「売り」のようですが、そもそもそのカネが何のためのカネであるかという本質論には何の顧慮もないという点では、本質的には財務省的な体質を濃厚にお持ちのようではあります。
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/post-fe7d.html(経済同友会代表幹事の正論と財務省の陰謀)
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と思ったら、風呂屋のロッカーの埋蔵金に手をつけていたようです。
投稿: hamachan | 2009年3月30日 (月) 19時30分
>と思ったら、風呂屋のロッカーの埋蔵金に手をつけていたようです。
あはははははは、やめて。。。笑える。。
投稿: コソドロ男 | 2009年3月30日 (月) 20時54分
>と思ったら、風呂屋のロッカーの埋蔵金に手をつけていたようです。
本当にどうなっているんでしょうね。この事件。
投稿: サモトラケのニケ | 2009年3月31日 (火) 11時03分