金融的インクルージョンの協議文書
2月6日付で、欧州委員会から「金融的インクルージョン:基礎的銀行口座へのアクセスの確保」という協議文書が公開されています。
金融的インクルージョンという言い方は日本ではなじみがないですが、多重債務問題をEUでは「金融的エクスクルージョン」と呼んでいて、その対概念だと考えれば、何となくわかるような。EUでは、雇用をはじめとする社会生活の諸側面における貧困や剥奪に関わる概念を「社会的エクスクルージョン」と呼び、これに対する政策課題として「社会的インクルージョン」が中核概念になっていますので、その金融版ということなのでしょう。
http://ec.europa.eu/internal_market/consultations/docs/2009/fin_inclusion/consultation_en.pdf
日本では貧困と金融の問題といえば、サラ金の金利問題がもっぱら中心になってきて、こういう方面からの問題意識というのはほとんど見あたらないようですが(私が知らないだけかも知れませんが)、EUの社会政策の一つの動向として、興味深いものがあると思います。
« 第117回日本労働法学会大会 | トップページ | 本日の東京新聞「核心」 »
「EUの労働法政策」カテゴリの記事
- 年末年始に、欧州3か国でプラットフォーム労働関係で判決(2021.01.17)
- EU自営業者の団体交渉規則へのロードマップ(2021.01.07)
- EU離脱寸前のイギリスで、ギグワーカーはEU安全衛生指令上の労働者だという判決(2020.12.22)
- EU最低賃金指令案(2020.11.01)
- EU新産業戦略にプラットフォーム労働者対策を予告(2020.03.14)
コメント