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2009年2月22日 (日)

朝日の耕論 ワーシェア何めざす

本日の朝日新聞の7面の「耕論」で、笹森全連合会長、中野麻美氏とともに、わたくしもワークシェアリングについて語っております。

笹森氏:「合意」に戻り議論深めよ

中野氏:「日本型雇用」に終止符を

濱口:正社員の意識変える契機に

というタイトルですが、微妙にずれていますね。

(追記)

私の発言をまとめた部分を以下にアップしておきます。

> 日本でのワークシェアリングをめぐる議論には、奇妙な特徴がある。世界的にワークシェアリングの標準とされているのは雇用創出型だ。ところが、02年に日本でワークシェアリングの導入が検討された時、緊急避難型と多様就業型のみが具体的な政策課題とされ、雇用創出型は、労使双方の発想になかった。
 企業単位の緊急避難型ワークシェアリングは、日本では以前から行われていた。70年代の石油ショックの際には、正社員の雇用を守るために、操業時間の短縮や子会社への出向が行われた。その意味では、別に新しいものではない。緊急避難型は日本で定着しなかったのではなく、もともと定着していたものが、景気が良くなったために必要がなくなったにすぎない。
 多様就業型については、オランダがモデルだと言いながら、それはうわべだけで、実はパートタイマーを増やして、労働力を安上がりにしようという側面もあったのではないか。その結果、皮肉なことに、派遣やフルタイムの有期雇用がどんどん増え、今回の派遣切りや雇い止めにつながった。
 今回のワークシェアリングの議論でも、やはり緊急避難型と多様就業型が中心であることに変わりはない。ただ、緊急避難型については、02年とは状況が大きく変わった。非正規労働者が大幅に増えた結果、緊急避難型ワークシェアリングの対象が正社員だけでいいのか、非正規も含めるべきではないかという議論が提起されざるをえないし、実際に提起されている。
 もちろん、ワークシェアリングで非正規を全部守るのは、現実には難しい。だが、企業の労使も、従来の考え方にとらわれず、非正規も含めてどこまでワークシェアリングが可能かということを議論してはどうか。非正規にも、家計補助的な働き方の人もいれば、それで生計を立てている人もいる。そこまで細かく見て、切られたら困る人たちについては、対象に入れることを検討していいと思う。
 多様就業型については、雇用形態の多様化そのものを後戻りさせることはできない。ただ、経済社会がそういう働き方を求め、それを認めざるをえないのであれば、セーフティーネットをきちんと張り巡らしておくべきだ。雇用が不安定である上に、賃金が安く、労働条件が悪いというのは明らかにおかしい。非正規の人たちが、社会的に不利益を被らない仕組みを作る必要がある。02年に鳴り物入りで打ち出されながら、尻すぼみに終わってしまった多様就業型ワークシェアリングにあらためて魂を入れるには、待遇の改善とセーフティーネットが2本の柱になる。
 非正規を含めたワークシェアリングを、日本ですぐに実現するのは難しいかもしれない。だが、いま日本の労働者や社会は、連帯や仲間意識といったものを再定義する必要があるのではないか。同じ職場で働く非正規労働者も仲間だという意識を正社員の側が持ち、待遇改善に取り組んでいく。そのための第一歩として、ワークシェアリングの議論は意味があると思う。

(聞き手・尾沢智史)

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コメント

経営側意見、がなかったのが残念ですね。

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