労働,社会保障政策の転換を ―― 反貧困への提言 ――
岩波書店から「労働,社会保障政策の転換を ―― 反貧困への提言 ――」というブックレットが出されました。
http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/00/7/0094460.html
>不安定な非正規労働者,社会保険の適用もない低処遇の「正社員」,ワーキングプア,生活保護を受けられず住む家にも困る者,違法な労働環境に苦しむ者……進む労働破壊と貧困化.この現実を,若者がどのように受け止めているのか分析し,どのように変えていくべきなのか,どうやって変えていくのかを,具体的に提言する
といっても、内容は、『世界』昨年10月号の掲載された「若者が生きられる社会宣言」という共同論文です。(併せてPOSSEの調査結果を収録)
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/09/post_7b90.html(『世界』10月号)
昨年9月以後の激動を考えると、何らかの加筆がされているかという期待も持ちたいところですが、こういう追記を除いて、ほとんどそのままです。
>・・・今や、日本の働く者たちに必要とされる政策は、産業構造の転換を含めた、より根本的な産業政策・社会政策・社会保障政策である。われわれが中長期的と考えていた規模の政策が、思いの外早く必要とされる時代となった。中長期的規模の政策形成は、より広い範囲の研究者、運動家の協力を必要とする、そうした作業に際しても、この『提言』が一つの足がかりとなることを期待したい。
まともに書き換えようとするととても今出せるような規模では収まらないということでしょう。
そういう意味では、上のエントリで述べたコメントと同じことになのですが、
>一点だけ感想めいたことをいうと、ある種の人々からは意外に思われるかもしれませんが、この共同提言と一番近い立場にあるのは、実は八代尚宏氏と労働市場改革専門調査会の方々ではないかという印象を改めて強く持ちました。
私の言い方でいうと、メンバーシップを強調する日本型雇用システムの矛盾こそが今日の問題の根源であり、これを適切なジョブ型社会にもっていかなければ道は開けない、という強い指向です。
このエントリでも述べたように、私はそこまで言うには現実主義者ではありますが、逆に、昨今の風潮が、あまりにもそういう志向抜きに、ただ(かつてでもその対象は限られていた)日本型雇用システムに誰も彼も入れ込むことが可能であるかのような議論が横行しすぎていることを考えると、もう少しこういうのを呼んで頭を冷ましてほしい気もしますね。
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