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2009年1月12日 (月)

映画『蟹工船』の監督は山村聡だった

Kani1_2 映画『蟹工船』をやっているという噂を聞いて、新宿駅西口すぐの新宿武蔵野館に行ってきました。

http://www.musashino-k.co.jp/cinema/shinjuku.html

昭和初年にかかれた小林多喜二の原作を俳優から転出の山村聡が第一回の脚色・監督にあたった。撮影監督・音楽はそれぞれ「ひろしま」の宮島義勇、伊福部昭。監督山村聡自身、森雅之、日高澄子、中原「村八分」、河野秋武などの他、現代プロ、前進座、東京映画俳優協会、劇団東芸、少年俳優クラブのメンバーが出演、これに千葉県勝山の網元平田末喜三が大役に特別出演している。

1bc4af5d なんと、あの山村聡が監督、脚本かつ主演までやっているという、映画ファンにとっても必見の作品。作られたのは1953年、なんと56年前です。

http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD23857/comment.html

山村聡の役は原作にはない松木(本名は野口)というインテリ崩れの男ですが、これがまた、いかにも階級間をさまようインテリゲンチャを絵に描いたような役どころ。

と、書いてきて、山村聡って知ってますよね。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E6%9D%91%E8%81%B0

神戸一中、一高、東京帝国大学文学部卒業後、研究劇団「太陽座」に入団。戦前の舞台活動を経て、1946年、『命ある限り』で映画初出演。1947年、溝口健二監督作品の『女優須磨子の恋』で田中絹代演じる松井須磨子の愛人役・島村抱月役に抜擢され、1950年には小津安二郎監督作品の『宗方姉妹』で第1回ブルーリボン賞の主演男優賞を受賞するなど数多くの映画に出演する一方、1952年には独立プロ「現代ぷろだくしょん」を設立し、翌年第1回監督作品『蟹工船』を発表するなど映画監督としても活躍した。1960年代以降は『ただいま11人』、『春の坂道』、『必殺仕掛人』、『華麗なる一族』、『ザ・ハングマン』などテレビドラマにも多数出演。父親役や威厳のある大物役などを演じることが多かった。映画『世界大戦争』、『ノストラダムスの大予言』、テレビ版『日本沈没』等で、総理大臣役を4回演じている。

我々の年代にとっては、山本五十六とか徳川家康とか首相とか、とにかく大物を絵に描いたような役どころの俳優ですが、若い頃はこんな映画を作っていたんですねえ。

あと、音楽が伊福部昭!全編を流れる伊福部節も時代を感じさせます。

話を元に戻して、全体の筋はだいたい原作に沿っていますが、正直言って、原作より数段いい作品になっているような。特に、原作ではソ連に漂流して支那人が出てきてプロレタリアートがどうとかこうとかというシーンが出てきますが、まだ日ソ国交回復前ということもあり、そういうところは一切カット。でも、それがあるとかえって共産主義宣伝映画みたいになってしまうので、映画の出来としてはない方が遙かにいいですね。

公開当時の宣伝用ビラも売ってました。「宣伝ポイント」は次の通りだそうです。

全編息もつかせぬスリルと迫力の連続です。海洋活劇特に北海という珍しい舞台に繰り広げられる海の男たちの反乱を海洋活劇風に売ってください。

小林多喜二の原作『蟹工船』は今や国民文学の古典として、青壮年層に広く読まれておりますから、原作は大いに売ってください。

今年は多喜二の20周年に当たりますので、映画サークル、文化団体、労組などの組織動員に力を注いでください。

脚本、監督の山村聡も知識層を中心に婦人にも広いファンを持っており、最近の演技者出身の監督の中でも出色の出来でありますから、山村聡の第1回野心対策という点を売ってください。

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コメント

新宿武蔵野館!ぶらり庵なら、「蟹工船」よりも、迷わず「シャイン・ア・ライト」だなあ。最近、忙しくて映画も行けないですが、お休みにはろーどー問題はきれいに忘れて自分の趣味と自分のエクササイズ(介護予防?)の方に専念したいですもん。

で、ローリングストーンズの映画も蟹工船もどっちも今のところ見ていないぶらり庵ですが、昔見て強烈な印象で今も忘れられない「社会派映画」は、ポーランド、アンジェイ・ワイダの「地下水道」ですね。出口なし、の状態を正面からとらえたすごい迫力の映画だったな。その後「連帯」の国となったポーランドは、今は、大統領と首相が双子とかいう、とっても変な状態のようですが。

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