ケインズに派遣を語らせるなかれ
いや、80歳を超えるご老人を批判するようなまねはほんとはしたくないのですが、やっぱり一言だけ言っておかないと。
日曜日の朝日のオピニオン欄で、「大不況 政府・企業がすべきことは?」というテーマに、伊東光晴氏がケインズの立場から、上田惇生氏がドラッカーの立場から述べています。伊藤氏がマクロ経済について語っていることについてここであれこれいうつもりはありません。しかし、
-派遣労働者をはじめ、すでに不況で苦しんでいる人が大勢います。
「ケインズは派遣労働など想定していませんでした。これは日本と韓国ぐらいにしか存在しません・・・。」
はぁ?日本と韓国にしか・・・って。昨年末EUは派遣労働指令を正式に採択したんですけど。
ていうか、いかにケインズ経済学の泰斗であるといっても、現役の頃には派遣法が存在していなかったようなご高齢の方に、派遣を語らせる方が間違っています。語っても、それは紙面に出さないのが当然の配慮。こんな、派遣のイロハもわかっていない人に経済がわかるのか?って、言われたら誰が責任をとるの?いやわかると思いますよ、マクロ経済学は。でも派遣はわかっちゃいない。これは朝日新聞の責任です。
>本来、職業紹介は公的部門と学校以外はやってはいけない。
まさに、そういう原則をひっくり返したのがILO181号条約なんですけど。
« 特定分野の優等生君が恥を晒す場所 | トップページ | テレビ東京夕方5時 »
この記事にはぶらり庵もびっくりしましたが、この日の朝日新聞は1面にも驚かされました。「解雇・・・そこに共産党」という記事がありましたよね。ぶらり庵は共産党には何も含むところはありませんが、全国紙が特定政党をもちあげるこの書き方にびっくり。この手の記事を書くとしたら、各党について地方・現場レベルの対応をとりあげて比較するのがメディアの役目でしょう。そのうえで記者の判断で共産党OK,というのはありかと思いますし、その場合でも、比較の材料としては、読者も各政党について判断できる程度のものを記事化して出すべきでしょうが。この記事はただの提灯記事だったと思います。よくこんなものを、この扱いで(地方面で地方事務所の話ならともかく)載せるなあ、と驚いたぶらり庵でした。
投稿: ぶらり庵 | 2009年1月14日 (水) 05時43分