フォト
2020年5月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
無料ブログはココログ

« 悪しき権力に向かって闘っていきたい | トップページ | 人権は国家に先在するわけではない »

2009年1月 5日 (月)

厚労相、製造業派遣の禁止も

朝日の記事から、

http://www.asahi.com/politics/update/0105/TKY200901050108.html

>舛添厚生労働相は5日の閣議後の記者会見で、すでに国会に提出している労働者派遣法改正案の修正に前向きな考えを明らかにした。さらに「個人的には」と断ったうえで、「製造業まで派遣労働を適用するのはいかがなものか。そのことも含めて検討しないといけない」と述べ、製造業派遣を禁止したい意向も明らかにした。

どうも、2年前のホワイトカラーエグゼンプションの時と同様、制度の問題点として批判し、改善していかなければならないところはスルーされ、何ら問題ではない、問題にしてはいけないところばかりがフレームアップされるという悪しき傾向が加速していますね。

こういうときにこそ、まっとうな労働問題の専門家がきちんと発言しなければならないはずなのに、そういう声がマスコミに現れてこないのは大変危うい事態です。こういう事態をほっておくと、またぞろ、「日雇い派遣の禁止には意味がない」「製造業派遣の禁止には意味がない」というそれ自体としては確かに正しい議論をおもてに出しながら、その実、本当に対処しなければならない労働者保護も何もかもことごとく叩き潰してしまおうという市場原理主義の徒輩に、うごめく余地を与えることになるのです。

労働者保護をおろそかにする形で制定された日本の派遣法には確かに欠陥があり、それは是正されなければなりませんし、そういう国会修正はおおいにされるべきですが、業務限定などというどの国もしていないし、そもそもの出発点が不純な動機に基づく、欠陥に満ちた枠組みに、しがみつくことをもって、あたかも派遣労働者のためになることをやっているかのように世論を向けていくことは、実はその騒ぎが収まったあとに、冷静な目で「何でこんな馬鹿な規制をしてしまったんだろう、さっさと元に戻そうよ」という(それ自体としては)きわめて正しい声に正統性を与えるだけで、本当にやるべき制度改正をなされないままにほっておくという結果をもたらしかねないものです。

労働者派遣法は労働法であって、事業規制法ではありません。それが世界の常識なのに、日本の派遣法は労働法であるよりも事業規制法として生み出され、育てられてしまったところに、最大の不幸があるのです。

この問題については、近く刊行される予定の、『中央労働時報』1月号や、『大原社会問題研究雑誌』2月号で若干詳しく述べていますが、これらはまだ発行されていないので、とりあえず過去の文章や発言として、

http://homepage3.nifty.com/hamachan/asahisekine.html(朝日新聞-関根秀一郎との対談「日雇い派遣 禁止は有効?」(2008年5月29日))

http://homepage3.nifty.com/hamachan/logibiz.html(日雇い派遣禁止は見当外れ(インタビュー)(『Logi-Biz』2008年7月号))

http://homepage3.nifty.com/hamachan/hakensaikou.html(日本経団連・労働者派遣制度見直し検討WG講演「労働者派遣システム再考」 )

(追記)

昨日のエントリーに対して、ゼンセン同盟JSGUの方から、現在は派遣会社の内勤職員はは10%に激減し、組織運営も90%を占める派遣スタッフを中心としたものになっているとのご指摘がありました。一昨年お話を伺ったときには、内勤職員と派遣スタッフが半々ということでしたので、昨日のような記述をしましたが、今は必ずしもそうではないようです。ただ、とはいえ、膨大な派遣労働市場の中ではなお周辺的な存在にとどまっていることも確かなように思われます。

http://www.jsgu.org/(人材サービスゼネラルユニオン(JSGU))

« 悪しき権力に向かって闘っていきたい | トップページ | 人権は国家に先在するわけではない »

コメント

派遣について先生の議論に概ね賛成なのですが、登録型派遣制度は廃止して単に有料職業紹介で対応すればいいのではないでしょうか?
登録型派遣制度ができた理由の一つは、労働省がこれによって民営職業紹介事業の自由化を免れようとした(少なくとも先延ばししようとした)ことではないのですか?先生はそれを承知の上で隠されてるのではないですか?

歴史的経緯からすると、逆で、看護婦家政婦紹介所などは、占領下に労働者供給事業を認めることができなかったために、実質は労働者供給事業であるものを、民営紹介事業ということにして認めたのです。戦前は供給事業として許可を受けていました。
紹介所に登録していて、注文があると紹介所から「派遣」されて、仕事が終わればまたもとの紹介所に戻るというビジネスモデルを「職業紹介」と呼んできたことの方がおかしいのです。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 厚労相、製造業派遣の禁止も:

« 悪しき権力に向かって闘っていきたい | トップページ | 人権は国家に先在するわけではない »