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2009年1月26日 (月)

賃金引き下げで、仕事の分け合い

日本でも年明けから急にワークシェアリングブームで、テレビ局や新聞記者がどっと押しかける騒ぎになりましたが、韓国でも急にワークシェアリングブームのようです。

http://japan.donga.com/srv/service.php3?bicode=080000&biid=2009012267918(東亜日報22日の社説)

ところが読んでいくと、韓国のワークシェアリングとは

>公企業を中心に賃金を引き下げ、新規採用を増やす「仕事の分け合い」が推進される。

>仕事の分け合いが成功するためには、賃金水準を下げなければならない。1日12時間の勤務を8時間3交代へと変え、雇用を増やしても、人件費が減らなければ無用である。アイルランドやオランダは、労使政が賃金引下げや雇用増大に合意したことで、成功の事例として取り上げられている。過度な労働市場に対する規制も緩和されるべきだ。採用や解雇条件、雇用条件を巡る規制が柔軟でなければ、余裕のある企業すら雇用を渋るだろう。フランスは法定労働時間を短縮し仕事の分け合いを試みたが、雇用増加へと繋がらず失敗した。

と、労働時間の短縮なき労働単価の切り下げによる「仕事の分かち合い」のようです。これでは労働側はなかなか飲めないでしょう、と思うのですが、

>大卒初任給であれ、社員の賃金であれ、引き下げてこそ追加採用が可能となる。韓国内の大卒初任給は、競争諸国の水準に比べ、過度に高い。昨年、ある経済団体の調査結果、韓国の大卒初任給は日本よりも高く、競争国である台湾の2倍に上る。この格差なら、競争力を失わないためにも、大卒初任給の引き下げが必要だ。

>一部の大手企業や公企業の大卒新入社員の過度な高賃金が、国家経済に及ぼす悪影響は大きい。大卒者らが高賃金の大企業や公企業に拘り、就職浪人は増えているが、中小企業は求人難で、地団太を踏んでいるのが現状だ。高い教育費を払い、育てた人材資源の無駄遣いに他ならない。このような雇用構造を変えない限り、中小企業で一途に働く人が成功し、社会的に優遇を受けることは不可能である。

>日本より20%も高い大卒初任給では、産業競争力の維持は難しい。・・・

主たるターゲットは大卒初任給の引き下げにあるようです。これもなかなか日本では想定しがたい状況ですね。

同じワークシェアリングという言葉を使っていても、いかに違う中身を喋っているかというのは、日本の中だけでもそうですが、海峡一つわたっても実例がありました。

ちなみに、この韓国のワークシェアリングブームの火付け役になったのは経済紙に載ったJILPTの呉学殊さんのインタビューらしいのですが、呉さんによると、そこでは彼が喋ったワークシェアリングの話だけでなく、喋った覚えのない韓国の大学教育の問題点までが語られていたそうで、どうも韓国国内の大卒初任給引き下げ論という枠組みにうまいように使われたようだと語っていました。

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