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2008年12月 3日 (水)

派遣契約の不更新と雇用維持努力指導

先週末11月28日付で、「現下の厳しい雇用失業情勢を踏まえた労働者派遣契約の解除等に係る指導に当たっての労働者の雇用の安定の確保について」(職発第1 1 2 8 0 0 2 号)という通達が発出されています。

http://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/11/dl/h1128-6a.pdf

そこでは、

>昨今の経済情勢による企業業績の悪化等に伴い雇用失業情勢は厳しさが増しており、特に、労働者派遣の役務の提供を受けている事業所においては、労働者派遣契約の期間満了に伴う契約の不更新や契約期間満了前の契約解除等により受け入れる派遣労働者の数を削減する動きも見られる。労働者派遣契約の契約期間満了に伴う契約の不更新や契約期間満了前の契約解除については、それ自体が労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(昭和60年法律第88号。以下「労働者派遣法」という。)に違反するものではないものの、派遣労働者の雇用の安定が損なわれる恐れがある。

という認識のもとに、

>各労働局においては、労働者派遣契約の契約期間満了に伴う契約の不更新や契約期間満了前の契約解除に係る事案の情報収集に努め、契約期間満了に伴い労働者派遣契約が更新されない事案については、雇用主である派遣元事業主に対して当該派遣労働者の雇用維持に努めるよう求めること

と指示がされています。

これはいろんな意味で興味深い内容です。何よりも、期間途中の打ち切りであれば、直接雇用の有期契約労働者は「解雇」されるわけですから、一般の解雇権濫用法理で保護されるだけでなく、労働契約法第17条によって「やむを得ない事由がある場合でなければ」解雇が許されないので、派遣労働者だって同じように保護すべきではないかというのはもっともな議論だと思うのですが、期間満了に伴う契約の不更新については、直接雇用の有期契約労働者は、契約法の制定過程ではいろいろ議論はありましたけれども、結局「必要以上に短い期間を定めて反復更新しないよう配慮する」というなんだかよくわからない規定に落ち着いて、要は期間満了で更新されないからと言って、誰かが使用者に雇用を維持しろとわざわざ言ってくれるというわけではないという状態なんですが、なぜかこの点に関しては派遣労働者の方が有利な扱いになってしまっているような。

ここで言う派遣労働者とは、当然常用型ではなく、派遣の切れ目が雇用の切れ目という登録型を想定しているはずですから、有期契約労働者ですよね。同じ有期でも、派遣だと期間満了時の不更新に対して、労働局が雇用を維持しろと言ってくれるということを、直接雇用の有期契約労働者との関係でどのように説明するのだろうか、と、いささか疑問が湧かないでもありません。

まあ、これを追求すると、同じ非正規労働者といいながら、パート労働者は雇用均等児童家庭局、有期労働者は労働基準局、派遣労働者は職業安定局と、見事に縦割りになっていいることに行き当たるわけですが。

たまたまここ一両年、もっぱら派遣が悪者役になっているために、雇用の不安定さが問題であるならば同じように問題であるはずの直接雇用の有期は陰に隠れる嫌いがないとは言えないように思います。不安定さゆえに派遣で問題とすべきことがあるのであれば、それは直接雇用の有期でも同じはずですし。派遣だけ叩けばいいというのはいささか安易なような。

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