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2008年12月27日 (土)

今頃何を言っているのだ

山口二郎氏が、東京新聞本音のコラムでこういうことを語っています。

http://yamaguchijiro.com/?day=20081222

>このところ、日本を代表する大企業で非正規労働者の解雇が相次いでいる。テレビも新聞もこれを社会問題として大きく報道している。しかし、今頃何を言っているのだという疑問をぬぐえない。そもそも労働の規制緩和は、不景気の時に企業が容易に、合法的に首切りできるようにするために決定された政策である。大企業が遠慮会釈なく首切りをすることこそ、「構造改革」の実が挙がっている証拠である。

今頃何を言っているのだ

それは誰に向けての言葉なのでしょうか。

>水道管にわざと穴を空けておいて、今頃水が漏れていると大騒ぎするメディアは、善意かも知れないが、愚かである。例外なき規制緩和の旗を振った経済財政諮問会議や規制改革会議の連中は現状をどう思っているのだろう。竹中平蔵や宮内義彦にもし会う機会があれば、構造改革の成果が上がって嬉しいでしょうと言ってやりたい。もし政策が失敗したと思うなら、中谷巌のように素直に謝るべきである

その竹中平蔵氏との対談で、山口氏はこう語っていました。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/post-c012.html(山口二郎氏と竹中平蔵氏の対談)

>山口 90年代には竹中さんと同じ課題に仲間として取り組んだという意識が私にはある。すなわち、官僚支配と自民党の族議員政治こそが日本をおかしくしている悪の元凶であると。そこに竹中さんは経済学の立場から、私は政治学の立場から批判の矢を放ち、一定の世論形成に成功した。

竹中 そうですね。

そのエントリーで私が述べたように、

>そこまで分かっているのであれば、「医療費の削減だとか、国民生活に直接影響する施策がたくさん内包されていたのにそれらがまともに吟味されることなく通ってしまった」というような小泉政権下の事態をもたらした責任の一端は、そういう「政治学の立場からの批判の矢」にもあったのではないかとという自省があってもいいように思われます。

まさに山口二郎氏のような「政治学の立場からの批判の矢」が、朝日新聞をはじめとするリベラルなマスコミをも巻き込んで多くの国民を、とにかく極悪非道の官僚を叩いて政治主導のカイカクをやっているんだから正しいに違いないという気分にもっていったのではないかと私は思うわけです。

そういう「改革」の「同志」だった竹中氏に対して、「構造改革の成果が上がって嬉しいでしょうと言ってやりたい」と突き放したような物言いをするのであれば、当然もう一方の片割れに対しても「政治改革の成果が上がってうれしいでしょうと言ってやりたい」と仰るのでしょうね。

>雇用危機も医療崩壊も、政策転換の結果であり、人災である。被害者に対する共感は必要だが、意図的に人災を作り出した連中には怒りが必要である

その怒りは、政治改革を煽りに煽った人々に対しても同様に向けられるのでしょうね。

>>この七,八年を振り返り、そのような厳しい総括をすることこそ、メディアの役割ではないか。政策を決定した人々の固有名詞を挙げた議論こそ必要である。

まさに、固有名詞を挙げた議論が必要だと思いますよ。

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