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2008年12月30日 (火)

非正規社員の雇用・生活保障

26日のエントリー「大竹先生「企業の内部留保活用を」」に、平家さんがコメントされています。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-ab34.html

http://takamasa.at.webry.info/200812/article_5.html(非正規社員の雇用・生活保障)

平家さんの異論は主として、

1「非正規労働者は、正規労働者よりも賃金が低い上に雇用も不安定なのだ。」
8「非正社員が不安定な雇用と引き換えに高い賃金をもらっていたのだろうか。実態は逆である。」

私が刺激を受けたのはこの部分です。特に1と8です。これは私にとっては一つのパズルです。

というところにあります。

>もし、不安定な職にそれなりのリスクプレミアムがついていて、しかも低賃金になっているということであれば、正社員と非正社員の労働の質、仕事に差があるか、正社員たる地位には、例えば拘束性が強いとか不払い残業をしなければならないといったマイナスがあり、そこに別のプレミアムがついていると考えられます。また、・・・生産性運動に(時に賃金の支払いなしで)参加するという義務があった可能性もあります。

>そうであれば9の「正社員と非正社員の不当な格差」は実は不当ではない可能性が出てきます。また、7の「正社員の既得権益」は(暗黙の)契約を結び、その契約上の義務を履行することによって、に入れたものであるということになります。・・・契約に基づいて義務を果たし、それによって得た権利を既得権益と軽々しく呼ぶべきではありません。

まあ、不払い残業だの、賃金なしの生産性運動というのは労働基準法上の問題もあるのでなんですが、正規と非正規の違いを拘束の有無あるいは程度で説明するというのは、労働法学でもよくなされる説明です。ただ、それで説明されるのはあくまでも自発的な非正規労働、余計な拘束を受けたくない上に、首になっても大して痛くない主婦パートや学生アルバイトの低賃金不安定雇用を説明するのに有用ではありますが、そういう就労形態をデフォルトで与えられてそれ以外の働き方のチャンスを与えられない人には必ずしもそれで納得できるわけではないでしょう。

本ブログでも何回も書いているように、非正規労働は昔から存在するわけですが、それが社会問題になったのは戦前の1930年代、戦後の1950年代、そして遙か時間を超えて、2000年代であって、その間のとりわけ1970年代から90年代にかけての時期は、(男女平等の議論のコロラリーとして以外には)あまり社会的関心を呼ばなかったのですね。

>既得権益といった言葉を使った正社員攻撃をすることで、正しい解決策が見つかり、社会的な合意が得られるとは思えません

という意見にはまさに全面的に賛意を表したいと思いますが、ただかつての主婦パートにとって亭主である正社員の「既得権」が、自分にとっても利益のある望ましい維持すべきものであったのに対して、就職氷河期のフリーターにとって、親父である正社員の「既得権」が同じように自分にも利益がある望ましいものである訳ではないという点が、彼我の違いの根底にあるわけで、問題はそのような社会的視座構造のシフトにあると考えるべきでしょう。

その解決の方向が、

>労使の対話を通じて、また、正社員と非正社員の対話を通じてあるべき姿を探っていくべきでしょう

という点にも、また全面的に賛意を表したいと思いますが、現に非正規労働者の利益代表システムがほとんど全く存在せず、機能していないという現状をふまえると、まずはそのメカニズムをどう構築するかという大きな課題が我々の目の前にあることもまた事実であるわけです。

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