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2008年12月 6日 (土)

国民の豊かさの国際比較 2008年版

例年通り、社会経済生産性本部が「国民の豊かさの国際比較 2008年版」を公表しています。

http://activity.jpc-sed.or.jp/detail/01.data/activity000890.html

http://activity.jpc-sed.or.jp/detail/01.data/activity000890/attached.pdf

>日本の豊かさは第7位(OECD30カ国)、主要先進国の中ではトップ

○日本の豊かさは経済協力開発機構(OECD)30カ国中第7位で、前年と同順位であった。
○1位はルクセンブルグ、2位ノルウェー、3位スウェーデン、4位スイス、5位フィンランドで、ヨーロッパの国々が上位を独占している。
○日本は主要先進国の中ではトップ。米国は12位、英国16位、フランス18位、ドイツ19位。

日本の強みは環境指標(4位)、健康指標(5位)、弱みはマクロ経済指標(23位)

○日本は環境指標の4位が最高で、健康指標5位、労働経済指標9位、文明指標10位であった。
○教育指標は前年の13位から11位と順位を上げたが、マクロ経済指標は前年の22位から23位へ一つランクを下げた。マクロ経済指標が低迷している要因は「1996~2006年の平均経済成長率」の低さ、「国民一人当たり政府累積債務」の多さにある(いずれも最下位(30位))。

個別指標では人口当たりの「医師数」(27位)や「国際観光収入」(最下位)などが下位

○個別指標のうち、日本の「人口1,000人当たり医師数」は27位、「国民一人当たり国際観光収入(受け入れ国際観光客による支出)」は最下位(30位)、と下位に甘んじており、昨今の医師不足や訪日外国人観光客の少なさなど政策課題が浮き彫りになっている。

詳しくは、リンク先をどうぞ。

さて、昨年も同じく紹介した際に、違和感を表明した点ですが、今年版でも変わらずそのままになっています。

>労働経済指標の中で日本が上位になっているのは、「単位労働コスト(低下率)」(1位)、「技術者・研究者数」(6位)、「失業率」(9位)であり、見劣りがするのは、「社会福祉支出」(21位)「労働生産性」(20位)である。

昨年同様、社会経済生産性本部の見解では、単位労働コストは低くなればなるほど「国民の豊かさ」が高まるようです。日本はそれが世界一である。世界一労働者の値打ちが下落している。まことにめでたい限りである、と。

昨年、本ブログで書いたコメントをそのまま引用しておきます。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/12/post_cf6d.html

>働く人の仕事の値打ちが下がることが「国民の豊かさ」なんですか、その「国民」って誰のこと?と、一言いいたくなりますね。

もしかしたら、生産性の向上率といいたいのかも知れませんが、いやだから例えば生産物1単位生産するのに要する労働時間数だとか資本費用だとかでそれを算定するというのであれば判らないではないのですが、生産物当たりの賃金が下がらないと「国民」様は豊かにならないのですかねえ。生産性向上の成果配分は労働者にもきちんと配分すべしというのが生産性三原則であったような気がしないでもないのですが。

も一ついうと、「生産物1単位」というのがいかにも製造業的であって、サービス業についてはどう考えて居るんだろうか、という疑問も湧いてくるわけですが、たとえば、介護サービス1単位当たりの生産性向上ってどうやって測るんだろうか、というようなことを考えると、ますます謎が深まってくるわけでありますね

一方で、医師数や、「初等教育における生徒・教師比率」は、医療サービスや教育サービスの消費者数に対する労働投入量が大きい方が「国民の豊かさ」だということになっているようで、ますます謎は深まる一方であります。

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