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2008年12月21日 (日)

大竹先生、それは年齢差別問題です

大竹文雄先生のブログで、「非正規雇用の雇い止め問題」というタイトルで、オランダの解雇法制が言及されています。

http://ohtake.cocolog-nifty.com/ohtake/2008/12/post-03b1.html

>非正規雇用の雇い止め問題の解決策。以前紹介したオランダの新しい解雇ルールの導入を、連合が提案するくらいにならないだろうか。もちろん、政党も。

オランダ、若者解雇ルール変更・失業の痛み各世代均等に

 若者の失業問題が深刻なオランダが若者の雇用機会を広げるユニークな制度改革に踏み切った。企業が人員削減で若者を先に解雇対象とする規定を廃止し、各世代から均等に解雇者を指名する新ルールを導入。失業の痛みが若年世代に集中するのを防ぎ、世代間の不公平感を和らげる狙い。(日本経済新聞(2006年4月17日付)

大竹先生の問題意識は大変よく理解できるところではありますが、この記事を引用するのは、いささか話の筋が違うような。

オランダの労働政策の枠組みにおいては、これは非正規労働問題ではなく、年齢差別問題なのです。それまでの長期勤続者ほど守られるというルールが中高年に有利で若者の不利であることから、年齢によって差別しないルールへ、という問題意識であって、非正規雇用の雇い止めとは直接関係はありません。

非正規雇用(有期雇用)については、オランダの法制は簡単明瞭、「総期間は36ヵ月以内、更新は2回まで、間隔3ヵ月以内は反復継続、違反は無期契約とみなす

http://homepage3.nifty.com/hamachan/roujunfixed.html(EU有期労働指令の各国における施行状況と欧州司法裁判所の判例)

というものですから、3年経過ないし2回更新で無期契約として、雇い止めだから解雇じゃないよ、ということができなくなり、本来の解雇規制に服することになります。

> 解雇には職業所得センターの許可又は裁判所の決定が必要である。労働者を解雇しようとする使用者は職業所得センターの地域事務所に解雇の理由と状況を記載した書面で申請しなければならない。労使双方で構成される解雇委員会が正当な理由があるかどうかを審査する。労働者の能力不足又は非行、経済的理由又は労働関係の長期的障害があれば通常認められる。許可を得て初めて使用者は解雇予告を行える。予告期間は勤続に応じて1ヶ月~4ヶ月である。許可なき解雇は無効である。ただし、公務員、教師、家事使用人及び会社役員は除く。また、試用期間中の者、即時解雇、有期契約の場合も許可は不要である。

 整理解雇に関する職業所得センターの許可基準は、最後に就職した者から最初に解雇される、労働市場で弱い立場の者より強い立場の者が先に解雇される、社内年齢構成を維持する、といったものである。

 職業所得センターの許可の代わりに裁判所に重大な理由による雇用契約の解除を請求することもできる。この場合予告期間はないので、裁判所はいつ雇用が終了するかを決定する。解雇手当の額は、勤続期間、賃金月額及び帰責事由に基づき判例基準で定められている。

 解雇が無効の場合、労働者は復職を求めることができるが、使用者は補償額を上積みすることによりこれを拒むことができる

http://homepage3.nifty.com/hamachan/roubenflexicurity.html(解雇規制とフレクシキュリティ)

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