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いえ、大竹先生のご趣旨には賛成なのです

昨日のエントリーに対して、早速大竹先生より「追記」という形でご趣旨の説明がありました。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-9a51.html(大竹先生、それは年齢差別問題です)

http://ohtake.cocolog-nifty.com/ohtake/2008/12/post-03b1.html(非正規雇用の雇い止め問題)

追記: オランダの場合は解雇の際の年齢を問題にしているが、これを正社員・非正社員の問題にあてはめた規制をすればどうか、というのが私の趣旨だ。私の説明不足もあって濱口先生から違うという指摘を受けている。同じものを日本で作れという意味ではない。現在は非正社員を解雇することが、正社員の解雇回避努力として評価されており、そうしないと正社員の整理解雇がなかなか認められない。そういうルールのもとで、正社員労働者が、人事構成に発言力をもっていたならば、正社員の解雇確率を最小にするために、非正社員の比率を高めるように企業に要求することが最適な行動になる。もし、非正社員を解雇するためには、正社員を一定の比率で解雇しなければならない、とか、正社員の賃金カットをしなければならないというルールに変更すれば、正社員は非正社員の解雇を必ずしも望まなくなるはずだ。ポイントは、ルールを少し変えるだけで、正社員の非正社員の雇用に対する態度や賃金要求を大きく変える可能性があるということだ。本当に、労働市場の二極化を問題視するなら、そういうルール変更を考える必要がある。特定のグループの解雇規制の強化を続ければ、新たな不安定雇用が生まれるということを、私たちはいやというほど学んだのではないか?

いえ、大竹先生のご趣旨はわかっておりますし、「大竹先生の問題意識は大変よく理解できるところではありますが」と、その旨も申し上げたつもりでありました。ただ、過去の経験に鑑み、オランダじゃないものをオランダモデルとしてもてはやすという傾向も日本のマスコミにはなきにしもあらずなので、オランダのコンテキストはこうですよ、と一言あった方がいいのではないか、と思っただけです。

私自身、前エントリーのリンク先の論文で、

http://homepage3.nifty.com/hamachan/roubenflexicurity.html

>解雇回避努力義務の中に時間外労働の削減が含まれていることが、恒常的な時間外労働の存在を正当化している面があるし*16、配転等による雇用維持を要求することが、家庭責任を負う男女労働者特に女性労働者への差別を正当化している面がある。そして、何よりも非正規労働者の雇止めを「解雇回避努力」として評価するような法理は、それ自体が雇用形態による差別を奨励しているといってもいいくらいである。

>すべての労働者に生活と両立できる仕事を保障するということは、その反面として、非正社員をバッファーとした正社員の過度の雇用保護を緩和するという決断をも同時に意味するはずである。「正当な理由がなければ解雇されない」という保障は、雇用形態を超えて平等に適用されるべき法理であるべきなのではなかろうか。この点は、労働法に関わるすべての者が改めて真剣に検討し直す必要があるように思われる。

というようなことを言って、労務屋さんからもびっくりされたりしていますので、大竹先生と問題意識は共有していると思っています。

http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20080221福井秀夫氏 vs hamachan先生(2)

http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20080310解雇規制に関する一アイデア

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