雇用安く、解雇早く…自転車、バイク便
産経に、本ブログでも何回か取り上げてきたソクハイユニオンの話が載っています。題して、「【雇用崩壊~非正規の師走~】(2)雇用安く、解雇早く…自転車、バイク便」
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/081216/trd0812162233021-n1.htm
>「稼働停止です。来月から来ないでください」
呼び出されたわけでも、担当者が来たわけでもない。通告は突然、携帯電話にかかってきた。
バイクや自転車による書類配送の最大手「ソクハイ」(東京都品川区)の自転車便スタッフ、上山(うえやま)大輔さん(31)が、通告を受けたのは9月18日だった。
業務課の担当者は「受注が落ち込み会社も大変。人減らしの対象になった」と話すだけだった。30人ほどが対象になったようだが、携帯電話で最終通告を受けたのは1人だけ。
なぜこういうことになったかというと、
>会社は認めないが、上山さんは稼働停止になった理由を「業績悪化に加えて、労働組合を立ち上げたから」とみている。
ソクハイにはバイクや自転車スタッフが約700人いる。大半が「運送請負契約」を交わして、それぞれが配達の仕事を請け負う「個人事業主」となっている。収入は完全歩合制。自転車、バイク(ガソリン代も)は自己負担だ。主幹所長となった上山さんのところには、「もう少し労働条件を改善してもらえないか」といった現場の声が多く寄せられていた。
労働組合の結成を決意した。19年1月、業界では初となる組合「ソクハイユニオン」を結成し委員長に就任した。スタッフの半分近くが組合に加入した。
で、結局、
>「法にのっとった経営をすべきだ」と訴える上山さんは、解雇撤回と原職復帰を求め東京地裁に提訴した。会社は「係争中でありコメントを控えたい」とだけいう。
「圧倒的な早さと安さ」をキャッチフレーズに成長してきたバイク、自転車便。上山さんには、そのフレーズがスタッフの雇用状況を比喩(ひゆ)しているかのように思える。
本ブログのエントリーでは、
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2006/10/post_b0e1.html(バイク便ライダー)
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/post_bc1c.html(ソクハイに労組)
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/07/post_6ae7.html(ソクハイユニオン)
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/09/post_57e9.html(バイク便ライダーは労働者!)
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/post-5512.html(バイク便:労働者としての地位確認など求め初提訴)
また、昨年9月の厚労省の通達はこれです。
http://www.jil.go.jp/kokunai/mm/siryo/pdf/20071003.pdf
訴状と答弁書を見る機会があったのですが、この厚労省通達にもかかわらず、会社側は「被告は個人事業主たるバイシクルメッセンジャーとの間で運送請負契約を締結して運送業務を委託している者であり、原告を含めたバイシクルメッセンジャーの労働者性については全面的に争う」構えのようです。
今後の推移が注目されます。
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