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湯浅誠氏のまっとうな議論

週刊ダイヤモンドの特別リポートに、もやいの湯浅誠氏が登場しています。そのいうところはきわめてまっとうであり、物事の本質を見据えながらも妙な急進主義に走らず、「穏健さ、均整の感覚、限界の認識という姿を取」ったリアリズムの感覚がきちんと示されていると感じられました。

http://diamond.jp/series/dw_special/10038/

>――非正規労働者の生活の厳しさが指摘されて久しい。

 非正規労働者の賃金は30代で290万円くらいで頭打ちになり、40~50代になっても増えない。一方、正社員の賃金は、40~50代で急激に伸び、退職手前で落ちるというカーブになっている。

 日本では教育費をすべて、家計が持たなければいけない。子どもが育つに従って家計の支出は増えるという高コスト生活になっている。そのため、収入もそういうカーブを描かない限り、結婚もできないし子どもも産めないということになる。

 対してヨーロッパは、19世紀以来の福祉国家型の社会を目指すなかで、低コスト社会をつくってきた。だから、ヨーロッパでは賃金カーブは40~50代になってもフラット。なのに、なぜ生活できるのかというと、学費がタダであるとか社会保障で家計がカバーされているから。

――日本もヨーロッパ型の福祉国家を目指すべきということか。

 そうではなく、まずは賃金と社会保障をセットで考える必要がある。今は、経営者は賃金は上げられない、国は社会保障の財源がないというどっちつかずの状態。

 だが、両者でうまく 日本型 のすり合わせを模索しながら、少しずつでも賃金が上昇していき、今より多少は低コストの社会をつくっていくしかない。

「すり合わせ」という漸進的感覚が適切です。

>――正社員の給料を下げ、非正規の給料に振り向けろという意見がある。

 そんなところに解決策があるとは思えない。生計の賃金依存度がきわめて高く、そのなかで子どもの教育費を支払いながら高コスト社会を生きているという点では、正社員も非常に厳しい環境にいる。

 彼らは子どもにただまともな教育を受けさせたいだけで、高い賃金でゆとりのある暮らしをしているという実感など、一般の正社員レベルではないだろう。

 ろくに仕事をしていない40~50代の賃金を下げろというが、そんなことをすれば彼らの子どもは進学できなくなる。結婚できない貧困と、子どもがいることによる余裕のなさは、裏腹の関係になっている。

――中間のサラリーマン層も納得できる解決策はあるか。

 賃金や雇用に手をつけるのなら、先に言ったように、同時に学費を無料にするなど社会保障も変えていかないと無理だろう。

ここで、その学費を無料にすべき「まともな教育」の職業レリバンスはあるのか?という何回も出てくる問題が顔を出すわけです。職業的自立のための教育訓練であれば、まさに公共投資として社会的移転の対象とする合理性がありますが、快楽のための消費財であればそれは難しい。シグナリング効果が欲しいのだとすると、もっと社会的コストの少ないやり方があるのではないかという話になる。しかし、それは何回も触れてきたように、大学教師の労働市場に多大な影響を与えます。

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コメント

>学費を無料にすべき「まともな教育」の職業レリバンスはあるのか
>シグナリング効果が欲しいのだとすると、もっと社会的コストの少ないやり方があるのではないか

うーん、「国立医学部と私立医学部」のような結果になるような…

それが悪いとは全然、思わないけど、
何かいろいろと微妙な問題がありそう

投稿: tamutamu | 2008年11月17日 (月) 20時26分

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