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2008年11月18日 (火)

失業給付受給者が増加

読売から、

http://job.yomiuri.co.jp/news/jo_ne_08111803.cfm

>雇用保険の9月の失業給付受給者が前年同月比2・6%増の60万6114人となり、2007年5月以来、1年4か月ぶりに増加に転じたことが17日、厚生労働省のまとめでわかった。政府・与党は09年度予算案で、失業給付への国庫負担廃止を検討しているが、景気悪化に伴って給付増が予想されるため、実現できるかどうかは不透明だ。

そんなの、景気後退に少し遅れて失業者が増加していくというのは常識でしょうに、サブプライムが破裂しているさなかに「埋蔵金」を山分けにしようという議論が横行していたんですから、この国って・・・。

>政府・与党は、09年度に社会保障費の伸びを2200億円抑制する方針を達成する柱として、国庫負担金と保険料からなる失業給付金への国庫負担(約1600億円)を廃止する方向で調整していたが、失業給付が増加すれば、将来の給付に備えた積立金(07年度末で4兆9000億円)の減少が予想される。

 このため、与党内では「失業者が増えれば、積立金はすぐに底をつく」(厚生労働相経験者)と廃止に慎重な意見が強まっている。

「埋蔵金」がすぐに底をつくことが見え始めていたころに山分けを主張していた人々は、現実に減りだしてもなお主張されるんでしょうか。

去る11月11日に労政審の雇用保険部会が審議を開始したところですが、さすがに三者構成の審議会ですから、適切な結論を出していくことと思われます。

ちなみに、「埋蔵金」が底をつきかけると、こういうどたばた劇を演じる羽目になります。ほんの7年前の話です。

http://homepage3.nifty.com/hamachan/koyouhoken.html(季刊労働法202号)

>(7) 雇用保険料率の見直し

・失業等給付に係る雇用保険率を1.6%とする。ただし、平成17年3月31日までは1.4%とする。(労働保険徴収法第12条第4項・附則第9条)
・弾力条項による保険料率の変更幅は現行通り±0.2%とする。(労働保険徴収法第12条第5項)

 今回の改正の直接の動因は前述したように、雇用保険財政の急激な悪化に対する対処の必要性である。基本手当日額の見直しから所定給付日数の見直し、各種給付の縮減など上述してきた全ての面について、雇用保険財政の持続可能性のために給付を絞り込むという色彩が極めて強い。
 他方、拠出制度としての財政的持続可能性という観点からは、当然保険料負担の引き上げによる対応という処方箋が考えられる。今回の改正のうちで、もっとも議論を呼び、労働政策審議会の枠を超えて政府与党の関係者をも巻き込んだ形で展開したのが、この負担のあり方であった。

 労働政策審議会では、雇用保険財政において、弾力条項による保険料率引き上げの発動基準が、積立金が失業等給付費に相当する額を下回った場合とされていることから、必要な積立金水準を達成するまでの間は基本的には単年度黒字となるような収支構造を目指し、必要な積立金水準の確保を図るとともに、将来、積立金が必要な水準に達した後もその水準を堅持することを中期的な雇用保険財政の運営方針とすべきではないかという観点から審議が行われ、平成14年7月の中間報告の段階で、可能な限り早急に(10月を目途)、制度上可能な0.2%の引き上げを発動することをやむを得ないものと認めた。
 これに基づいて、翌8月、厚生労働省は直ちに雇用保険料率を変更する告示(厚生労働省告示第275号)を行い、10月1日から適用した。これによって、失業等給付に係る一般の雇用保険料率は1.2%から1.4%に引き上げられた。農林水産業、清酒製造業及び建設業については、1.4%から1.6%への引き上げとなる。
 その後、11月になって厚生労働省当局が審議会に提示した議論のたたき台では、さらに現行の保険料率を1.4%から1.6%に引き上げることを打ち出すとともに、弾力条項による保険料率の変更幅を±0.3%又は±0.4%とすることも検討するとした。
 そして、一旦は労働政策審議会の結論として、労使の反対意見を添付しつつ、「雇用保険制度の安定的運営を確保するために必要な負担として、失業等給付に係る本来の雇用保険料率を1.6%とし、1.4%から1.6%に改めることはやむを得ない」と書き込む寸前まで行ったのであるが、この案がまとまる予定であった11月22日の審議会の直前に、20日の経済財政諮問会議において、
塩川財務大臣が「失業手当の給付を見直して保険料を上げずに済むようにすべきだ」と発言し、21日の記者会見では補正予算での財政措置の積み増しを検討する考えを示した。これを受けて、22日、坂口厚生労働大臣が「一般財源から国庫負担をいただけるのであれば、保険料率の引き上げは行わなくてもよくなる」と発言し、厚生労働省と財務省の事務当局は大混乱に陥ったと報じられている。
 このため、結論は先送りになり、保険料引き上げは凍結されることとなった。その後、この問題は与党間で政治レベルの話し合いが行われ、補正予算で基金を設ける案が浮上、2500億円の早期再就職支援基金を平成16年度までの時限事業として創設することでまとまり、12月5日、与党3党の幹事長・政調会長間で合意された。保険料率は平成17年3月まで1.4%に据え置かれたが、状況によっては与党3党の了解を得て0.2%の範囲で増率変更することも認められた。
 このように、政治レベルで決着が付いた後、12月18日の審議会で合意された報告では、「失業等給付に係る法律本則の雇用保険料率を1.6%とすることはやむを得ない」と書いた上で、「ただし、平成15年度及び平成16年度は法律附則において1.4%とする」となった。

 この問題については、既に政治的には決着が付いた問題ではあるが、拠出制社会保険制度としての雇用保険制度として、失業率の急激な上昇による財政の悪化に対して、どのように対処すべきかという根本問題について理論的な結論が出されたとは到底言えず、今後も不良債権処理が進められ、大量の離職者の発生が予測される中で、同様の問題は繰り返し起こってくることが予想される。その意味で、この問題の論点を整理しておく意義は大きいと考えられる。
 その際、旧失業保険法制定当時の保険料率は2.2%であり、その後経済成長とともに失業率が低下するにつれて1.3%まで引き下げられてきたが、高度成長が終了して失業率が上昇し始めた後もなお引き下げの一途をたどり、平成5年から13年初頭までは0.8%という空前の低い水準であったことを想起する必要がある。いわば、連帯の精神に基づく拠出制度として、趨勢的な失業率の上昇に合わせて引き上げられるべきであったにもかかわらず引き上げられなかった部分のツケという面がある。また、同様の制度設計であるEU諸国では保険料率が5~9%台と高めに設定されている。

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