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2008年11月12日 (水)

バイク便:労働者としての地位確認など求め初提訴

毎日の記事から、

http://mainichi.jp/select/biz/news/20081106k0000m040039000c.html

>自転車などで書類を運ぶバイク便の仕事をしていた東京都内在住の上山大輔さん(31)が5日、個人請負契約を解除して解雇したのは不当などとして、バイク便大手のソクハイ(東京都品川区)を相手取り、労働者としての地位確認や不払い賃金の支払いなどを求め東京地裁に提訴した。

 バイク便で働く人については、個人事業主だとする見解もあったが、厚生労働省が昨年9月に労働者として扱うべきだとする通達を出しており、バイク便で働く人の労働者性が争われる初の裁判と見られる。

この通達は、これです。

http://www.jil.go.jp/kokunai/mm/siryo/pdf/20071003.pdf(バイシクルメッセンジャー及びバイクライダーの労働者性について)

>訴状などによると、上山さんは04年8月にソクハイと運送請負契約を結んだ。05年には営業所の所長となり、他のメッセンジャーの管理業務や採用面接も行った。個人請負では労災が適用されないことなどから07年、労働者として扱うことを求め労組を結成し、委員長に就任した。

 ところが、08年1月に所長を解任され、同9月に無期限稼働停止とされ仕事ができなくなった。ソクハイから指揮命令を受け、時間拘束もされる就労実態などから、厚労省の通達にある労働者で、契約解除は解雇権の乱用、不当労働行為に当たるとして地位確認などを求めた。

 上山さんは「厚労省の通達をまったく無視した不当な解雇だ」と訴えている。ソクハイは「訴状が届いていないのでコメントできない」と話している。【東海林智】

さて、裁判所は契約形式を重視する民法的判断をとるか、実態を重視する労働法的判断をとるか、興味深いところです。もっとも、請負じゃなく労働契約だと認めたからと言って、解雇を無効と認めるか、不当労働行為を認めるかはまた別の判断ですが。

なお、このメッセンジャーを経験した労働法研究者のエッセイとして、

http://www.jil.go.jp/column/bn/colum079.htm(メッセンジャーの労働組合)

筆者の内藤忍さんはJILPTの研究員です。

こちらは就労者自身が自分は労働者じゃなくてプロフェッショナルだと思っているわけではなく、利用しやすい低価格労働力として「個人請負」という形をとっているという面が強いのだろうと思いますが、昨日のエントリーのメディア業界のフリーランサーとはまた違った意味で、労働者性が問題になる一つの断面ですね。

本ブログの過去のエントリーから、参考までに、

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2006/10/post_b0e1.html(バイク便ライダー)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/post_bc1c.html(ソクハイに労組)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/07/post_6ae7.html(ソクハイユニオン)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/09/post_57e9.html(バイク便ライダーは労働者!)

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コメント

>裁判所は契約形式を重視する民法的判断をとるか、実態を重視する労働法的判断をとるか、興味深いところ

すみません。ここが今ひとつ分かりづらいのですが。

民法が問題となる分野でも,裁判所は,単に契約の表題等の形式的側面だけでなく,当事者が実際にどのような行動を取っていたかなど,実態も重視して契約の種類を判断していると思いますので,ハマちゃん先生がおっしゃるような感覚は持っていないのです。

そうですね、言葉の使い方の問題だと思いますが、形式法学的発想と実態法学的発想とでもいうべきものを、民法と労働法という風にいってみたものです。
少なくとも、労働法が発生してくる状況というのは、雇用契約は対等な当事者間の云々という民法理論に対して、いや労使の実態はそうじゃない、というところから発生しているわけですから。
おっしゃるように、現在の民法学の傾向は、むしろ下手な労働法よりも実態重視の面がありますから、やや語弊があるといえばあります。
ただ、気持ちとしては、本来労働法は実態重視のはずなのに、契約は本人の意思解釈が大事だという(本来民法的な)感覚が強くなりすぎているのではないかという、批判的な感覚があるものですから、こういう書き方になってしまったという面があります。

この辺をちょっとエッセイに書いたことがありますので、ご参考までに。

http://homepage3.nifty.com/hamachan/heigai.html

>少なくとも、労働法が発生してくる状況というのは、雇用契約は対等な当事者間の云々という民法理論に対して、いや労使の実態はそうじゃない、というところから発生しているわけですから。

ご紹介いただいたリンク先もあわせて読むと,趣旨がよく分かりました。ありがとうございます。

ハマちゃん先生がよく”リベサヨ”という言葉を否定的に用いられるのは,

>今日労働法を覆っている過度に個人契約中心にものごとを考えるという悪弊を露呈したように思われる。

こういった感覚をお持ちだからなのでは・・と思ってしまいました。

以上,いちソシサヨの戯言です。

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