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2008年11月25日 (火)

高学歴代替の戻り現象

JILPTの「ビジネスレーバートレンド」12月号が、「高校生の就職とキャリア形成支援-日本的就職システムの行方と課題」という特集をしています。

http://www.jil.go.jp/kokunai/blt/bn/2008-12/index.html

10月6日に開催された労働政策フォーラムの報告とディスカッションがメイン記事ですが、その中の、筒井美紀さんの報告が興味深いものがあります。

資料はここにアップされていますが、

http://www.jil.go.jp/event/ro_forum/resume/081006/tsutsui.pdf

こういうお話をされたようです。

>ある企業は97年の時点では「高校生の採用を止める」としていました。「高校生はすぐやめるし、仕事を教えても覚えないし、資質が下がっていてだめだ」ということで、実際に大卒採用(正社員+契約社員)に切り替えて、「すごくうまくいっています」と97年時点で話していました。しかし、07年に「10年経ちましたが、どんな感じでしょうか」と伺ったところ、「実は高卒採用を復活することにしました」との回答でした。

>その理由については、まず「高等教育大衆化のインパクト」があります。その企業の言葉を借りると。「専門学校にせよ、大学にせよ、今のように進学が容易になってしまうと『おいおい、大丈夫なのか?』という学生も多くいる。ならば、高校卒業時点で採用して育てた方がよいのではないか」と。

>このように、事後的にあと知恵で振り返れば、企業も試行錯誤していることに気づきます。ある採用行動をとったからといって、それを一時点だけで評価するのではなく、やはり経過を見なければいけないということがとてもよくわかるわけです。

>だとすれば、採用言説は労働需給の状況で変わっていくのではないか。人手が要らないときには、「最近は仕事が高学歴化したので(高卒採用は)無理だ」などの言説が流布し、人手が居るようになったら「これからは高卒を育てていかねばならない」という言説が広まり、それに影響されたりします。

これは、実に深遠なまでのインプリケーションのある言葉というべきでしょう。こういう言葉を軽々しく読み捨ててはいけません。

なお、本ブログでかつてこのあたりについて書かれたエントリーにこんなものもあります。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2006/02/post_384b.html(職業能力ってなあに?)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2006/02/post_29c6.html(職業教育はペイするか?)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2006/04/post_c586.html(専門高校のレリバンス)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2006/12/vs_e20a.html(本田由紀vs濱口?)(コメント欄参照)

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