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2008年11月 8日 (土)

労働教育の復活

全国労働基準関係団体連合会の機関誌『らいふ』の11月号の巻頭言に、労働教育の話を書きました。

http://homepage3.nifty.com/hamachan/gekkanlife.html

>「労働教育」という言葉は、現在ではほとんど死語となっているが、かつては労働省の課の名称として存在したれっきとした行政分野であった。終戦直後に占領軍の指令で始まり、労働省設置時には労政局に労働教育課が置かれ、労働者や使用者に対する労働法制や労使関係に関する教育活動が推進された。また、その諮問機関として労働教育審議会も設置された。地方労政行政でも、労働教育に精力が傾注された。
 その後、労使関係が安定化するとともに、労働教育は行政課題から次第に薄れていく。1950年代末には労働教育課が廃止され、代わって日本労働協会が設立されて労働教育事業を引き継いだが、高度成長期には労使協調による生産性向上で労働者の生活水準が上昇していき、石油ショック後の低成長期にも労使は雇用の安定を第一として協力し、労働者の権利をいかに教えるかといった問題を正面から取り上げる状況になかった。
 ところが1990年代末から、パート、フリーターなど非正規労働者の激増の中で、労働者自身が労働法制を知らず、自分の権利が侵害されていてもそのことに気がつかないといった状況が拡大しているとの指摘がされるようになった。一方、労働組合組織率の低下傾向の中で、労働者が個人で自らの権利を守らなければならない状況は拡大している。
 こういった指摘は、近年政府の諮問機関からもされるようになった。今年3月には国民生活審議会が、「学校教育段階から社会に出てからの教育を含め,働くことの意味や労働関係法令,働くことの権利と義務など働くことに関する教育の充実等のための取組を進めることが必要」と述べているし、4月には経済財政諮問会議労働市場改革専門調査会が、「労働を巡る権利・義務に関する正しい知識を教える学校教育の充実が図られ、そうしたなかで、就職・転職時における職業選択もよりスムーズに行われるようになる」と指摘している。半世紀間死語となっていた「労働教育」が、再び政策課題として浮かび上がってきたのである。
 地方レベルでは既に動きがある。北海道労働審議会は2006年5月に「若年者の労働教育について」という報告をとりまとめ、学校教育における働く際の権利・義務に関するルール教育の重要性を強調している。同審議会の道幸哲也会長は、職場の権利教育ネットワークというNPOを立ち上げ、学校におけるワークルール教育への専門家派遣等を始めている。
 こうした中、去る8月8日に厚生労働省は「今後の労働関係法制度をめぐる教育の在り方に関する研究会」を立ち上げた。今後、関係者からのヒアリング等を行い、来年初めには提言をまとめる予定である。半世紀ぶりに復活しようとしている労働教育が、労働市場に出て行く全ての若者に均霑されていくことを期待したい。

この厚生労働省の研究会は、現在まで3回開催されています。その1回目の議事録と2回目までの資料はアップされています。

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/08/txt/s0808-1.txt

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/08/s0808-11.html

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/10/s1003-10.html

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