素人裁判員と労働委員会
ちょっと前のニュースですが、最高裁の司法研修所が、「控訴審は1審の裁判員判決尊重」すべきとの報告書を公表したという話がありました。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/081111/trl0811112313041-n1.htm
いやまあ、裁判インコさんの判断が「国民の視点や知識、感覚、社会常識が反映されることから」控訴審は「できる限りこれを尊重して審理に当たる必要がある。破棄相当として審理を差し戻すケースは例外的なものに絞り込まれる」というのは、一つの考え方としてもっともな面もあるとは思いますが、別段刑事司法に何の見識もない一般国民を引っ張ってきて「国民の視点や知識、感覚、社会常識が反映」とまでおっしゃるのですから、労働問題の専門家としてキャリアを積んできている労働委員会の委員たちの判断に対しても、労働問題の「視点や知識、感覚、社会常識が反映されることから」取消訴訟に当たっては裁判所は「できる限りこれを尊重して審理に当たる必要がある」という風にはならないのか、何とも不思議な感じもしないではないですね。
いやいやそっちは、一からプロフェッショナルの裁判官が判断するのじゃ、というのであれば、労働委員会の委員が労働問題に関して有している見識よりも高いとは言い難い一般国民の裁判員の刑事事件に対する判断は「できる限りこれを尊重して審理に当たる」というのはどうしてなのか、どこかでご説明いただいた方がいいような気がしないでもないですね。
« シュタインマイヤー独外相の「雇用協定」提唱 | トップページ | 湯浅誠氏のまっとうな議論 »
コメント