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2008年10月30日 (木)

権丈節二題

権丈先生の味わい深い言葉が連日投下されております。

http://news.fbc.keio.ac.jp/~kenjoh/work/korunakare189.pdf(「乏しきを憂えず等しからざるを憂う」ようなできた人間じゃないよ、僕は)

>不平等・格差は問題だ、貧困問題は深刻だと言うくらいで、世の中動くもんじゃない。18 世紀の半ばに産業革命が起こってすぐから、深刻な貧困問題を訴える社会運動家は、ずっといた。だけどな、格差問題、貧困問題を解決するためには、所得の再分配が必要なわけで、その再分配政策が大規模に動きはじめるのは、高所得者から低所得者に所得を再分配するその事実が、成長や雇用の確保を保障するということを経済理論が説明することに成功したときからだ。現状の所得分配に対する固執はいつでもどこでもとてもおそろしく強く、格差は問題だ、貧困問題は深刻だと言うくらいで、所得分配のあり方が大きく動くほど、世の中は甘くないんだよ。

まさしく。

>福祉国家の歴史をいろいろみてみると、社会保障というのは成長手段、雇用確保手段という経済政策手段として利用され、拡充されてきたのが分かります。決して、乏しきを憂えず等しからずを憂えて、社会保障が充実されてきたのではないんですね。

>小さな政府と自助努力からなる上げ潮戦略という成長政策は、終わったんじゃないですか。わたくしは、上げ潮派の政策を内需主導型成長抑制政策と呼んでいるんですけど、内需を抑制する政策を継続することはもう無理でしょう。次は、成長政策として、積極的社会保障政策が上げ潮政策に取って代わる・・・云々。

そう、社会保障は社会保障として意味があるだけではなく、経済成長と雇用拡大に役立つわけで、このあたりをEUでは「生産要素としての社会保障」といったりします。

も一つ、次の日は、

http://news.fbc.keio.ac.jp/~kenjoh/work/korunakare190.pdf(「地方を活性化する」とか「中産階級を生む」とかというのは意図的にやらないとできっこないんです)

>社会保障素人の経済学者と社会保障研究者の相違は、ミーンズテストとスティグマという言葉、および生活保護と社会保険の歴史的経緯を知っているかどうかにあるんですね。

>もうはっきり言って、「地方を活性化する」とか、「中産階級を生む」とかというのは、意図的にやらないとできっこないんです。中産階級をこの国でつくるぞとか、地方に雇用をつくるぞということを意図的にやらないとできるわけがない。それを意図的にやるということはある意味規制をすることなんですけれども、規制をどんどんと撤廃していったりすると、中央に資本や人とかいろいろなものが集まった社会になり、その一方で地方分権という形で財政の負担を地方に回すというのは、私はちょっと理に合わない動きがここ数年というか、ずっと続いているのを感じております。

規制を撤廃して「地方分権」をやると、地方は活性化するどころか・・・・・・・。

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