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2008年10月21日 (火)

欧州議会は労働時間指令で対立

EurActivの記事から、

http://www.euractiv.com/en/socialeurope/meps-set-clash-working-time-directive/article-176560

6月に閣僚理事会で政治的合意が成り立った労働時間指令の改正案ですが、欧州議会では依然波高しという状況のようです。

>The European Parliament's employment committee yesterday (20 October) rejected a hard-fought compromise among member states, saying it failed to include any of MEPs' amendments.

Socialist rapporteur Alejandro Cercas particularly criticised the fact that the Council's common position still contains opt-out provisions allowing the UK and other countries to go beyond the agreed weekly 48-hour working cap.

Cercas tabled 18 amendments to the text, calling for an end to those opt-outs, but also on including on-call-time for medical staff as working time.

そのセルカスさんの提出した修正案はこれですね。

http://www.europarl.europa.eu/meetdocs/2004_2009/documents/pr/743/743989/743989en.pdf

なるほど、確かに、欧州中の医療機関が困っている待機時間の扱いについても、

>The entire period of on-call time, including the inactive part, shall be regarded as working time.

待機時間は不活動時間も含めすべて労働時間と見なす

理由は、

>As co-legislators, the Council and Parliament must abide by the Court of Justice case and respect the dignity of the work of persons who are on call.

理事会と欧州議会は司法裁判所の判決に従い、待機している労働者の労働の尊厳を尊重すべきだ

それはその限りではまことにもっともなことながら、それをそのまま実行しようとすると欧州中の病院は人員不足でつぶれてしまう。それで背に腹を変えられずにオプトアウトを使って急をしのいでいるわけです。こういう風に理想主義を高く掲げられてしまうと、現実のシステムが動かなくなるという一つの実例なのですが・・・。

オプトアウトについては、

>Member States may decide not to apply Article 6 during a transitional period to end 36 months after the entry into force of Directive 2005/.../...

オプトアウトは改正後3年間だけ猶予期間として認めてあげるが、その後はだめよ、と、こちらも厳しい。

>To do away with a provision that undermines worker health and safety protection and the inalienability of fundamental rights and to maintain the force of ILO agreements and the social legislation and agreements between the two sides of industry in the Member States.

労働者の安全衛生と基本的権利の奪うことのできない性質からして云々・・・といちいちもっともではあるのですが、せっかく加盟国政府の間で何とか合意したのに、という気持ちも一方にはあるわけです。

欧州議会がこれで貫くと、閣僚理事会と欧州議会の間で意見がまとまらず、結局改正案は廃案で、現状のオプトアウトが続くということになるのですが、それでもいいのですか?という問題でもあるわけです。

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