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2008年10月 8日 (水)

物流業界の人の「日雇い派遣議論のタブーに迫る」

昨日紹介したロジラボ通信副編集長の延さんが、関根さんとの対談や日雇い派遣体験記の前に連載した「日雇い派遣"の原則禁止を問う」という記事の最後の回で、結構ディープなテーマに迫っています。

http://logi-labo.jp/sun2/post-117.html

延さんは、

>日雇い派遣労働者のなかには、人材難の物流業界からも、直接雇用などのオファーが無く、尚且つ、"日払い"の仕事を余儀なくされる人が存在するという事実である。そして、この点は、全てのメディアが正面から向き合うことを避けている点でもある。端的に言えば、"日雇い派遣労働者自身の資質について"というタブーの議論である。


 昨今の"日雇い派遣"議論において、この点に触れるメディアや関係者は皆無である。しかし、この点は、本当に、大手メディアが喧伝するイメージのような日雇い派遣労働者の問題があるとするならば、不可避な論点であると考える。


 尚、予め、誤解を招かないように言及しておくが、本回で述べることは、押しなべて日雇い派遣労働者について述べているものではなく、日雇い派遣労働者の一つの断片について検証することであり、そのことが、日雇い派遣労働者の抜本的な待遇改善に向けた原因究明に繋がると思いから、愚直に、真実と向き合ってみたい。また、当然のことながら、日雇い派遣労働者を切り捨てる主旨も、蔑ろにする主旨も毛頭無い。

と断った上で、次のように述べていきます。

>2ヵ月ほど前、とある日雇い派遣元事業主から、次のような話を聞いた。「日雇い派遣労働者の財布の中には、総じて、消費者ローン会社のカードが何枚も入っている。つまり、日雇い派遣という制度以前の問題として、日雇い派遣で"日銭"を稼がざるを得ない自身の状況がある」と。その日雇い派遣元事業主では、カード(ローン)地獄に陥った日雇い派遣労働者の借金返済支援のため、日雇い派遣労働者とともに返済計画を立て、ある一定額をプールして返済に充てる手助けをしているとのことだった。


 結論から言えば、「日雇い派遣から抜け出せない日雇い派遣労働者には、借金がある割合が高いのではないか」との仮説を実証する術は無い。何故ならば、そのような調査資料は公式にも非公式にも存在しないからである。


 後日、その日雇い派遣元事業主に、同社所属する日雇い派遣労働者の借金調査の依頼をしてみたが、諸々の点から難しいとの回答であった。同様の仮説を、他の日雇い派遣元事業主にぶつけてみると、明確に否定する回答は皆無だった。また、同様に、詳細に実態を把握した資料を有してはおらず、現時点では、この点について断定的な発言をすることはできない。


 しかしながら、筆者は、この仮説には、一定の合理性があるのではないかと見ている。ワーキングプアが社会問題化した当初から、「お金がないため住居を借りられず、正社員になることができない」という大手メディアが描くストーリーに違和感を覚えていた。


 何故ならば、日銭で暮らす生活を強いられているとは言え、都内にも、風呂無しトイレ無しで2~3万円(=月額では、ネットカフェ暮らしと同程度かそれ以下の賃料)の物件はあり、最近では、仲介手数料は必要となると思われるものの、探せば、「敷金礼金ゼロ」という不動産賃貸物件は存在し、また、ブラックリストにでものっているか、よほどのことが無い限り、何らかのカードを作り、定住生活の最低限のスタートアップ資金となる5~10万円程度のキャッシングをすることは可能だからである。


 つまり、逆説的に、「消費者ローンから借金をできない立場である可能性が高い」との仮説が成り立つのではないだろうか。無論、推論の粋を出ない仮説ではある。日雇い派遣の問題を本質的に議論するならば、「何故、消費者ローンから借金ができないのか?」という点を明らかにする必要があるように思う。万が一、そこに原因があるとするならば、仮に、日雇い派遣を禁止したところで、大手メディアが喧伝するところの"日雇い派遣"労働者の苦しい生活実態は変わらないからである

ここで厚労省のネットカフェ難民調査の数字を出して、「こと若年層に限って言えば、「借金」と「(仕事の形態はともかくとして)一ヵ月以内の短期労働」との相関関係が、顕著に見えてくると言えるのではないだろうか」というのですが、ここはそう読める数字なのかどうかいささか疑問があります。

で、最後に、

>無論、「借金」と「1ヵ月以内の短期労働」との相関関係には、鶏と卵の議論、即ち、どっちが先かという議論が存在することは承知している。さりながら、日雇い派遣労働者の労働状況、並びに、生活改善という日雇い派遣議論の本来の主旨に鑑みれば、「短期労働を行なう一因に、借金がある」という可能性を否定できない以上、この点を、より詳細に調査していくことが、日雇い派遣労働に限らず、非正規の短期労働に顕在する抜本的な解決策へと繋がるのではないかと思えてならない。


以下、次号に続く

とあるのですが、なぜか次号に続いていません。タブーに触れてやばいと思ったから続かなかったのか、説得力がないと思い直したから続かなかったのか、そこのところは不明です。ただ、少なくともこの問題を「日雇い派遣労働者自身の資質」という形で問題にすることには大いに疑問がありますが、不安定就労と多重債務の関係というのは、まさに社会的排除の議論でよく取り上げられるテーマであることも確かです。資質に問題がある奴だから日雇いになったり借金漬けになるんだ、という冷笑的なスタンスではなく、いったん何らかの理由で不安定就労に落ち込んでしまうことにより、不安定就労と多重債務のスパイラルが昂進していってしまうというメカニズムも考えられるわけです。こういう問題を妙にタブー視するのはかえって有害でしょう。

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