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2008年10月31日 (金)

本日の名言-丹羽宇一郎氏

日経ビジネスオンラインで伊藤忠商事の丹羽宇一郎会長がサブプライム問題について語っています。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20081030/175796/

以下、「本日の名言」に値する言葉をいくつか引用します。まず、

>今回の金融危機で破綻した海外の金融機関を買い取った日本の金融機関が、おそらく最も困っているのは、社員の報酬でしょう。彼らは高度な金融工学の知識を持ち、新しい商品を生み出してきたことに自尊心を持っている。

 本当は、これだけのリスクを残したことをまっさきに反省し、その報いも受けなくてはならないのに、いまだに高い給料をもらおうとしているわけですよ。私だったら即刻、「給料を半分にしてしまえ」と思うんだけど、そうするとその社員は逃げてしまう。そうなると、人が資産の会社だから、何を買ったのか分からなくなってしまう。

 私だったら、逃げる者は逃げても構わないと思う。本当に、彼らの能力で儲かったとは思いません。リスク分析に甘く、イケイケどんどん環境だったからで、知能が優れていたわけでも、どこそこのMBA(経営学修士)を持っていたからでもない。

バブルで踊って儲ける「能力」に馬鹿高い給料を払う愚劣さ。それは、

>リスクを置き去りにし、儲けのみで評価する成果主義がはびこっていたからでしょう。本来、リスクのない商売などありません。儲けと共にリスクを最小化する努力を怠っていなかったか、総合的に評価しなくては不十分なのです。

>サブプライム問題は、儲けだけで評価する成果主義の下、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)という保険もあるのだから、リスクはあっても目先の利益を実現すると、人々を駆り立てたことから起きたのです。

「成果主義」がどういう「成果」を追い求めていたのか、という問題ですね。

そのあげく、

>経済格差、所得格差をますます拡大させた。米国の企業ではトップと一般社員の給与の差が1000倍、500倍と広がった。中間層はどんどんワーキングプアの方に落ちてきた。そして今回も、おそらくこの中で儲かる時は金持ちが儲かる、損をする時は貧乏人が損をする。

そこで、今回の追加経済対策に対しても、

>こんな状態で、お金をばらまいたって誰も喜びませんよ。ワーキングプアで、所得が年間200万円以下の人々が求めているのは、お金ではなく、自尊心を持って働ける場です。「働きたいのに働く場がない」。だから怒っていたり、困っているわけです。

そう、まさに「いい仕事(decent work)」こそが最大のセーフティネットでなければならないわけです。

正直、こういう立派な方が経済財政諮問会議の民間議員を退かれてしまったのは残念です。

(追記)

と、人をほめてばかりではhamachanらしくないといわれるかもしれないので、ついでに余計な一言、

バブルに踊って儲ける能力を「リスクテイク」と称して、

http://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je08/08b00000.html

>「日本企業はリスクを取らないから収益力が弱い」「日本の企業や家計がリスクを取らないから日本経済の成長力が弱い」

>以上のとおり、伝統的な「日本型」の企業特性は企業のリスクテイクを抑制している可能性が示された。また、先にみたように、リスクを積極的にとる「ハイリスク企業」は平均的にみるとROAが高くなっている。今後、日本企業が収益力を高めていくためには、個々の企業の実情に応じ、雇用面や資金調達・株主構成面において、リスクテイクを促進するような企業特性への移行が課題となっていると考えられる。

>「リターンが低いからリスクを取らない」のか、「リスクを取らないのでリターンが低い」のか。答えは、「両方」である。こうした状況から抜け出すには、都合の良い近道があるわけではない。いわば「構造的」な問題であるから、その処方箋も日本の経済システム全体を見直すことで解決しなければならない。
 家計が投資したリスクマネーが収益機会を的確に捉え、収益を家計に還流させる仕組みをどう構築するか。ここで鍵となるのは「ガバナンス」である。投資先を選別し、企業活動に適切な動機付けを与え、必要に応じてこれに介入する「ガバナンス」機能の確立がこうした好循環を生む前提条件となる。
 金融資本市場を通じた「ガバナンス」の担い手として、本章では特に機関投資家に注目した。機関投資家は、家計の資金をプールしてリスクをコントロールする一方、企業に適切なリスクテイクを行わせ、リターンを確保する役割を果たしうる。もちろん、「ガバナンス」の担い手は機関投資家に限らない。銀行や個人投資家など、様々なプレーヤーがそれぞれの特徴を活かして、役割を果たしていくことが期待される。

と、「日本人はもっとリスクとれ、コラァ!」と叱咤されていた本年度の経済財政白書サマはいかがお考えになっていらっしゃるのか、たいへん興味深いところではあります。

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