EU経団連はESOPがおすすめ
EUサミットに併せて開催されたEUの政労使トップによる三者構成社会サミットでの、EU経団連のセリエール会長のスピーチです。
http://212.3.246.117/docs/1/HNLDMPMBAJHJOABCPCMHGOIGPDBW9DWW7Y9LTE4Q/UNICE/docs/DLS/2008-01891-E.pdf
もちろん金融危機への対処の話が中心なんですが、こういうところは欧州労連に対する牽制ですね。
>We must also look at the social consequences of the crisis. We need to find the right response to deal with concerns about purchasing power. The answer is not spiralling wage increases in the current economic environment. We know that this would only lead to higher prices, less employment and greater anxiety. Inflation can wipe out companies’ pay efforts.
いやもちろん購買力の維持は大事だけど、賃金を上げればいいってもんじゃない。物価が上がってインフレになるだけだ。
では、欧州経団連のおすすめは何か?というと、意外なものを出してきます。
>In these uncertain times, we need to look for win-win solutions. We think that a good way to reconcile wage policies and companies’ competiveness is the development or further improvement of financial participation schemes which give employees a stake in the success of a business.
こういう先の見えない時期には、労使双方が得をするようなやり方をしなければ。それは何かと尋ねたら・・・・・・事業がうまくいけば従業員も得をするような財務参加制度である、と。いわゆるESOPですな。
これ、岩波新書から出ている本山美彦さんの『金融権力』の中で、生産を軽視する金融ゲームを終わらせるために、グラミン銀行とかと並んで推奨されているものですね。
http://www.iwanami.co.jp/hensyu/sin/sin_kkn/kkn0804/sin_k406.html
もともとは、会社意思決定への参加と並ぶ労働者参加制度というコンテクストで論じられてきたものですが、こういう話の流れで出てきますか、というところです。
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