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2008年9月 7日 (日)

生活者の企業観

連合総研の『DIO』最新号で、「不」氏が「企業の中に社会の目を」というエッセイを書いています。

http://www.rengo-soken.or.jp/dio/no230/siten.pdf

>「日本の企業はリスクをとっていない、もっとリスクをとって株主に奉仕せよ」という声が、ますます高まりつつある。・・・

>とはいえ、企業には、株主、債権者、顧客、従業員、取引先企業、系列企業、地域社会、政府など多くのステークホルダー( 利害関係者)がいる。株主と違って、そのほとんどはリスクなどとりようのない存在なのだ。

という「企業は誰のもの?」話なんですが、引用されている経済広報センターの世論調査が興味深いのです。最新の2008年調査では、

>「企業にとって、今後特に企業が重視すべき関係者」の第1 位は「最終消費者(エンドユーザー)」( 7 5 . 0 %)、第2 位は「従業員」( 74 . 0%)、第3 位は「生活者」( 一般国民)( 50 . 0%)、第4 位「地域社会」( 28 . 0%)となっている。「個人株主」(15 . 0%)と「機関投資家」( 3 . 0%)をあわせた「株主」は18 . 0%の回答率で、「ビジネスユーザー(取引先など)」( 26 . 0%)を下回る。

のですが、過去10年近くの推移を見ると、

>「従業員」重視の割合は、1999 年の第2 回調査から2000 年の第4 回調査までは60%前後だったものが、2001 年の第5 回調査71 . 8%と10%ポイント以上の増加となった。第6 回調査(2002 年)以降では、この傾向がさらに進んで、「従業員」重視の割合が7 ~ 8 割となっている。2008 年の第11 回調査の結果も、このような傾向の延長上にある。

というのです。

「不」氏は、これについて、

>背景には、1990 年代における相次ぐリストラの中での雇用不安、所得低迷があるだろう。また、2002 年以降の長期景気拡大の過程でも、従業員は一向に報われることはなかった。自分の勤め先での従業員としての利害と、家庭や地域で生活する生活者の利害、というふたつの立場が「生活者」の企業観に反映されている。従業員には、自らの利害だけではなく、「最終消費者」や「地域社会」に配慮する社会の眼を企業の中に持ち込む可能性がある。従業員を代表して企業内で「発言」する労働組合には、その可能性を現実のものとする大きな役割がある。労働組合が、その役割と責任を果たすことは、今後の日本経済の成長の質を大きく左右するものと思われる。

と述べていて、まあ私も結論にはその通りと思う方ではあるんですが、90年代末から2000年代半ばまでのそういう労働者たちがひどい目に遭わされていた時代が、同時に政治史的には、構造改革派が我が世の春を謳歌していた時代でもあるというパラドックスをきちんと見据えておかないといけないのではなかろうか、という気もするのです。

http://www.kkc.or.jp/profile/index.html

経団連会長が会長を務め、「経済界の考え方や企業活動について国内外に広く発信するとともに、社会の声を経済界や企業にフィードバックすることに努めて」きた財団法人のアンケートには、従業員こそ最大のステークホルダーと答えながら、一国の経済社会のあり方を決めるような国政の重大な意志決定をゆだねる相手は、企業は株主の利益だけしか図ってはいけない、従業員の利益を図るなんぞ背任行為じゃ、コラァ、というような人々であり続けたというこのパラドックスを。

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