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2008年9月 6日 (土)

社会保障重視派こそが一番の成長重視派に決まってるだろう

世間では経済政策が焦点になりつつあるようですが、権丈先生も昨日参戦されたようです。曰く、「社会保障重視派こそが一番の成長重視派に決まってるだろう」。

http://news.fbc.keio.ac.jp/~kenjoh/work/korunakare172.pdf

>最近、医療で講演に呼ばれても、年金で呼ばれても、はたまたどういう政治色の人たちに呼ばれても、まず僕が言うことは、「財源はなんでもいい、いま、10兆円の負担増をして、それを全部社会保障の現物給付に回すとする。マクロ経済にどんな影響を与えると思いますか?」

僕の思考回路の中では、内需主導型の景気回復が起こる。しかも社会保障の現物給付は高齢者がたくさんいるところに所得が流れるにきまっているのだから中央と地方のバランスのとれた景気回復が起こる。と同時に、この政策を中長期的には10兆円と言わず、より積極的に展開すれば、老後の不安から大幅に解放されて人びとは真に安心感を抱き、個人で蓄えたストックをフロー化しはじめる。結果、マクロバランスは改善され、財政赤字での需要の下支えの必要も弱まる。

なにか悪いことはあるか? 個々人の行動というミクロの視点では正しくとも彼らの行動を集計したマクロの世界では意図していなかった不都合なことが生じるという「合成の誤謬」というようなことを知らない国民が、政府不信や一見常識的に聞こえる自助努力、生活自己責任の原則に基づいて負担増はイヤだと行うべきでないと言うのであれば、負担増をして社会保障の充実を図る途の方が、本当は生活が楽になることを説得することこそが、彼ら国民のためだろう。赤字国債でやるべしと言う人もいるだろうけど、この国にはそれほどの余裕はないし、負担増でやっておいた方が、国の形そのものを変えることにつながり、結果、制度そのものが頑強性を備えて持続性をもつ。

もっとも、この国の需要構造の大転換のために、生産要素の移動は生じる。社会保険料や税の負担が高くなって、奢侈品の消費は控えられるであろうが、負担増の部分は、すべて社会保障の現物給付に使われるのであるから、奢侈品の減少分の生活必需品は増加して、そこに新たな雇用が生まれる。そして労働の移動が生じる際のさまざまな摩擦は、社会保障でできる限り保障する。

また、社会保障の現物給付は、所得と関わりなく、高所得者であれ低所得者であれ、ほぼ同じ額が給付されるのであるので、いかなる財源で調達しようとも、受給額から負担額を引いたネットでみれば、低所得者であるほどネットの受益者になる。したがって、積極的社会保障政策は、社会全体の消費性向を高めることになり、この国の難問である需要不足の緩和に大きく貢献する。

そうした一国の体質改善を図りましょうというのが、積極的社会保障政策であり、これは、景気対策であり、成長政策なのである。

これこそ、まさしく、もっとも正しい意味におけるマクロ経済的発想と称すべきものでしょう。

ところが世の中には、奇妙な思想が蔓延していて・・・。

>ところが、世間をながめてみると、構造改革とか上げ潮とかなんとかという不思議な呪文のもとに、自助努力とか生活自己責任の原則などと言っては、国民にガマンを強いるのが、成長政策と考えている人がやまほどいるようなのである。しかしながら、この国を成長させたいのであれば、採るべき政策は、まったく逆。互助・共助と生活の社会的責任の強化である。構造改革の名の下に、社会保障を抑制しては国民の不安を煽り、彼らの消費を萎縮させておいて、内需主導の成長など起こるはずがない。せいぜい、外需という神頼みの成長くらいしかできそうにない。

このあたり、EU社会政策の文脈では、「生産要素としての社会保護」という標語で呼ばれているところですし、今年の厚生労働白書でも触れられています。

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