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2008年9月21日 (日)

労使関係と労資関係

ローシ関係論の世界では、「労資関係」と書く左派系の人と、「労使関係」と書く右派系の人が対立していたというのが、ある時期までの状況であったわけですが、戦後経営者支配が確立し、企業内ローシ関係の実態が「労使関係」になればなるほど、そっちの方が主流になってきた、というのがまあ、大まかな流れでしょう。ここ数十年くらいは「労資関係」という字面を見ることも少なくなってきています。

ところが、右派系労組の代表であるUIゼンセン同盟が今月10,11日に開いた定期大会での落合会長の挨拶の中に、昔懐かしい「労資関係」の文字があるのを見つけました。

http://www.uizensen.or.jp/cms_file/news/file1_294.pdf

>グローバル化と市場主義化はどんどんと進行し労働市場に混乱を招いてきているのはご承知の通りです。プライベート・エクイティーファンドに象徴されているように、株主資本が絶大な権力を持って経営者を支配する構図が出来上がってしまっています。この現実に対して企業別労働組合は使用者性を持たない株主資本、持ち株会社に対抗する力が非力なのです。
こうした動きに対して我々は早急に対抗策を立てていかなければなりません。それは企業の枠を超えた交渉力を創り上げることにあります。UIゼンセン同盟本部も外国資本に対抗する為にも5つの国際産別との連携はもとより、各国の友誼産別との連帯を一層深めていく必要があります。すなわち、従来の企業別労使関係の上に、使用者ではなく、使用者を支配する資本と対峙する「労資関係」を構築する必要があります。

見られるように、これは企業内「労使関係」の否定ではなく、むしろ資本の論理によってそれが弱体化されつつあるという危機感から、「使用者を支配する資本と対峙する」「労資関係」を構築する必要があるという問題意識です。

「労使関係」においては、労組とその事情に理解のある人事部のいい関係が大事でしたが、「労資関係」においては資本家およびその代弁者たる財務部との対決が中心になるというわけでしょうか。

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