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新たなソーシャルヨーロッパ

昨日送られてきた『生活経済政策』10月号の巻末の「覚え書きグローバル社会民主主義運動&労働運動」に、欧州社会党の「新しい社会的欧州」が1ページほど取り上げられています。

これは一昨年末にまとめられたものですから、2年近くたってようやくごく簡単な紹介がされたことになりますね。

本ブログでは、その策定段階から何回か紹介してきていますが、

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2006/09/post_9f82.html(欧州社会党の「新たなソーシャルヨーロッパ」)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/01/10_7fc9.html(欧州社会党の10原則)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/post_5ecf.html(欧州社会党「新ソーシャルヨーロッパ」報告)

実は、本ブログと交流の深い平家さんの「労働・社会問題」で、この10原則の全訳が公開されています。これは、世の中の多くの人にもっと知られていい内容だと思われますので、リンクを張っておきます。

是非、下のリンク先に飛んで、じっくりと読んでいただきたいと思います。これが、今日のヨーロッパの社会民主主義の考え方なのです。

http://takamasa.at.webry.info/200702/article_2.html(1 すべてのものの権利と義務-結びつきの本質)

われわれの社会の未来を市場の力の導くままに任せてしまおうという人がいる。

われわれ、ヨーロッパ社会党は、政治的な選択をした。すべてのものの権利と義務、これは近代の福祉社会での結びつきを確かなものにする接着剤だ。・・・

http://takamasa.at.webry.info/200702/article_3.html(2 完全雇用-みんなの未来の基礎)

完全雇用は不可能だという人がいる。

われわれ、ヨーロッパ社会党は、政治的な選択をした。完全雇用、質の高い雇用は実現できる。新たな資源を生み出すために貢献できる全員の潜在的な能力を活用してもっと人を受け入れやすい社会、繁栄した社会を作るには、これを実現するのがもっともいい道だ。近代的な福祉国家なしに完全雇用を実現することはできないし、完全雇用なしに福祉国家を維持することはできない。・・・

http://takamasa.at.webry.info/200702/article_6.html(3 人間への投資-われわれは本道を行く)

高等教育を受けていない低スキルの人々の惨めな見通しは気にせずに、高いスキルを持った人々の機会に焦点を合わせる必要が、我々にはあるんだという人がいる。

我々、ヨーロッパ社会党は、選択をした。人々の能力向上のための投資し、人々を受け入れるという選択だ。継続的にスキルと職業能力を開発し、仕事の苦しさに堪えるのではなくうまく仕事をする、低賃金で競争するのではなく能力の高さで競争するという正しいやり方の選択だ。・・・

http://takamasa.at.webry.info/200702/article_8.html(4 締め出したりしない社会-誰も置いてけぼりにはしない)

社会の底辺にいる人のためにできることなんか何もないんだと言い立てる人がいる。

我々、ヨーロッパ社会党は、選択をした。ヨーロッパはみんなの社会、物の数に入らない人などいない社会だから強いのだ。しかし、何世紀にも渡って社会政策をとってきたのに、まだ、人生のチャンスと富にあまりも多くの不平等がある。グローバリゼーションと人口やその構成の変化は多くの人に新しいチャンスをもたらすだろう。しかし、市場の力は、積極的な社会政策でバランスをとらなければ、何百万という人を社会の片隅に追いやってしまうだろう。・・・

http://takamasa.at.webry.info/200702/article_9.html(5 誰でも利用できる子育て支援)

子供の世話なんて私的なことで、それ以上のものじゃないと言う人がいる。

我々、ヨーロッパ社会党は、選択をした。ヨーロッパの国は子育て支援を望む人は誰でも支援する方向に向かうべきだ。短期で見ても長期で見ても、質が良くて、けちくさくない、利用しやすい子育て支援はとても役に立つ投資だ。これは子供達にとってもっともいい教育の始まりだし、子供達は生きるために大事な社会的なスキルを身につけることもできる。地域のいい保育園は両親も子供達もコミュニティーの完全なメンバーにできる。そしてコミュニティーを現在も強くする基礎にもなるし、将来の強いコミュニティーの基礎にもなる。しばしば、子育て支援に従事する労働者や他の親とつきあいは非常に貴重な助けになることを、親が知ることがある。・・・

http://takamasa.at.webry.info/200702/article_12.html(6 男女同権)

男女同権は十分進んだし、もうこれ以上のことは必要ないと言い立てる人がいる。

我々、ヨーロッパ社会党は、選択をした。進歩があったとはいえ、男女の不平等はまだ大きく、われわれはこれに取り組まなければならない。差別、仕事への道が十分開かれていないこと、そして不平等な条件のせいで、女性は労働市場で不利な立場にあるグループの最大のものになっている。賃金は男性より低く、まだ家庭ではほとんどの家事を引き受けなければならない。しばしば、子育て支援もなしに。・・・

http://takamasa.at.webry.info/200702/article_13.html(7 社会対話 これなしには何もできない)

労働者の組織の時代は終わったと言う人がいる。

我々、ヨーロッパ社会党は、選択をした。労働は人生と社会の計り知れない価値を持つ部分だから、どのようにしてわれわれの仕事を構成し、われわれが分かち持っている責任を組織するかは、近代社会の基礎だ。・・

http://takamasa.at.webry.info/200702/article_15.html(8 多様性と統合をわれわれの強みに)

外国人嫌いと少数派や移民に関連する憎しみから政治的な利益を得ようとするものがいる。

われわれ、ヨーロッパ社会党は、この大会の宣言に述べたように、多様性と寛容を信じる。ヨーロッパの社会はどんな形のものであれ不寛容と憎しみを拒否しなければならない。国籍、民族的な出自、人種、文化的、社会的に形作られた性、性の好み、宗教、これらに関わらず、誰でも尊厳を持って生活し、尊重される権利を持っている。・・・

http://takamasa.at.webry.info/200702/article_16.html(9 持続可能な社会 気候変動への取り組み)

よい気候とエネルギー政策の必要性を疑う人は殆どいない。しかし、今でもそれは余計な費用だと考えている人が大勢いる。

われわれ、ヨーロッパ社会党は、選択をした。よい気候とエネルギーの必要に取り組む積極的な政策を、新しい賢明な環境に優しい成長戦略の中心に据えなければならない。・・・

http://takamasa.at.webry.info/200703/article_2.html(10 みんなのために積極的に行動するヨーロッパ)

ヨーロッパは、何も規制がないか、殆ど規制がない単一市場に自らを限定して受け身でいるのがいいと主張する人がいる。

われわれ、ヨーロッパ社会党は、選択をした。EUは新しいソーシャルヨーロッパの本質だ。地域と加盟国が単独で成し遂げられること、それを超えたものをともに達成するのをEUは助けるから。しかし、われわれはEUがもつ可能性を生かし切ったとは言えない。ヨーロッパが協力し、連帯すればみんなの生活にもたらすことができる利益はまだまだ実現されないまま残っている。もし、競争による刺激、協力による強化、連帯による統一をバランスのとれた基礎として、さらに建設していけば、新しいグローバルエコノミーの中で、われわれの新しいソーシャルヨーロッパを着実に実現していける。・・・

http://takamasa.at.webry.info/200703/article_1.html(0 前文)

http://takamasa.at.webry.info/200703/article_3.html(翻訳の感想)

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