脱藩官僚、霞ヶ関に宣戦布告 だそうです
http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=9716
しかも出版元は朝日新聞。
へえ、そうなんですか。朝日新聞さんは脱力官僚さんの味方なんだ。
>官僚批判が高まっているなか、かつて第一線で活躍した元エリート官僚たちが、反・霞ヶ関の団体「脱藩官僚の会」を設立。省益のために改革を骨抜きにする官僚の実態と手の内を明らかにするとともに、真の改革を成功させるための秘策を公開する。
まあ、世間的には埋蔵金官僚さんとか、ゆとり官僚さんとかが関心の対象なのかもしれませんが、こと労働問題に少しでも関心のある人であれば、当然のことながら、この方が何を言ってるかが注目のはずなんですが。
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_f547.html
福井秀夫氏が何を言ってるかと思って、ぱらぱらとめくってみました。
霞ヶ関に「宣戦布告」とまでおっしゃるのですから、
さぞかし、
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/post_1cda.html
でご紹介したような猛語録が次々と繰り出されるんだろうと思いきや、
全然出てこない。
一言も出てこない。
>ごく初歩の公共政策に関する原理すら理解しない議論を開陳する
アフォな労働官僚諸君を猛爆撃していただけるものと期待しておりましたのに。
>一部に残存する神話のように、労働者の権利を強めれば、その労働者の保護が図られるという考え方は誤っている。
とぶちあげていただいてるんだろうと思ったのに、
>不用意に最低賃金を引き上げることは、その賃金に見合う生産性を発揮できない労働者の失業をもたらし、そのような人々の生活をかえって困窮させることにつながる。
と糾弾していただいているんだろうと思ったのに、
>過度に女性労働者の権利を強化すると、かえって最初から雇用を手控える結果となるなどの副作用を生じる可能性もある。
とたたきのめしていただいているんだろうと思ったのに、
そういうことは一言もおっしゃっていただけていないんですねえ。
ニュートン力学はどこへ行ってしまったんでしょうか。
まさか、脱藩官僚ともあろうお方が、諸般の政治情勢を総合的に勘案して、うかつに喋ったらまずいと思って、わざと言うべきことを言わずにだんまりを決め込んだなどと思いたくはありませんが。
何にせよ、不思議千万な事態ではありますね。
もしや(まさかとは思いますが)規制改革会議でさんざんぶちあげたことどもを、よく考え直してみたら間違っていたから言うのをやめたとおっしゃるのであれば、正々堂々とそう仰るべきでしょうね。
本心では依然としてありとあらゆる労働者保護はことごとく廃絶すべしと思っているのに、朝日新聞出版の本ではだんまりを決め込んだなんて、まさかそんな姑息なことをやるような方ではないはずですから。
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