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タクシー事業を巡る諸問題に関する規制改革会議の見解

去る7月31日付で、内閣府の規制改革会議から「タクシー事業を巡る諸問題に関する見解」が出されていました。

http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/publication/2008/0731/item080731_01.pdf

そこでいわれていることは、必ずしもおかしなことというわけでもないと思われます。社会的問題に対しては原則として事業規制ではなく社会的規制で対応すべきこと、それも審議会の審議を経て行うべきで、官僚が通達で勝手にやるべきではないことなど、私も、その通りだと思います。ただ、それを、昨年同会議が公表した意見書と比べて読むと、なかなか含蓄がありますが・・・。

>タクシー車両が増加したことに伴い、タクシー運転者の待遇が悪化し、過労運転による安全性・サービスの質の低下等を招いているとの指摘もあるが、・・・事故への対応は、台数規制ではなく、悪質な事故を発生させた運転手や会社に対する行為規制で対応すべきである。タクシー運転手の労働条件改善は基本的にはタクシー事業者の経営課題として、また、より広い社会政策を通じて実現されるべきものである。(タクシー事業を巡る諸問題に関する見解(平成20年7月31日)

>一部に残存する神話のように、労働者の権利を強めれば、その労働者の保護が図られるという考え方は誤っている。不用意に最低賃金を引き上げることは、その賃金に見合う生産性を発揮できない労働者の失業をもたらし、そのような人々の生活をかえって困窮させることにつながる。過度に女性労働者の権利を強化すると、かえって最初から雇用を手控える結果となるなどの副作用を生じる可能性もある。正規社員の解雇を厳しく規制することは、非正規雇用へのシフトを企業に誘発し、労働者の地位を全体としてより脆弱なものとする結果を導く。一定期間派遣労働を継続したら雇用の申し込みを使用者に義務付けることは、正規雇用を増やすどころか、派遣労働者の期限前の派遣取り止めを誘発し、派遣労働者の地位を危うくする。長時間労働に問題があるからといって、画一的な労働時間上限規制を導入することは、脱法行為を誘発するのみならず、自由な意思で適正で十分な対価給付を得て働く労働者の利益と、そのような労働によって生産効率を高めることができる使用者の利益の双方を増進する機会を無理やりに放棄させる。(脱格差と活力をもたらす労働市場へ~労働法制の抜本的見直しを~(平成19年5月21日)

>なお、当会議としては、平成20年7月11日の通達のような監視対象領域を大幅に拡大する規制が法令によることなく、また審議会等での審議を経ることもなく、一府省内の手続きによって発出されたことは、極めて不適切で速やかに見直されるべきと考えており、またタクシー事業分野に限らず、通達等の形で規制の導入・強化等が可能となっている現状は根本的に改められるべきと考えている。(タクシー事業を巡る諸問題に関する見解(平成20年7月31日)

>現在の労働政策審議会は、政策決定の要の審議会であるにもかかわらず意見分布の固定化という弊害を持っている。労使代表は、決定権限を持たずに、その背後にある組織のメッセンジャーであることもないわけではなく、その場合には、同審議会の機能は、団体交渉にも及ばない。しかも、主として正社員を中心に組織化された労働組合の意見が、必ずしも、フリーター、派遣労働者等非正規労働者の再チャレンジの観点に立っている訳ではない。特定の利害関係は特定の行動をもたらすことに照らすと、使用者側委員、労働側委員といった利害団体の代表が調整を行う現行の政策決定の在り方を改め、利害当事者から広く、意見を聞きつつも、フェアな政策決定機関にその政策決定を委ねるべきである。(脱格差と活力をもたらす労働市場へ~労働法制の抜本的見直しを~(平成19年5月21日)

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