経済財政諮問会議に三者構成導入?
昨日、与謝野大臣になって初めての経済財政諮問会議が開かれ、「安心実現のための総合対策」について議論されました。
http://www.keizai-shimon.go.jp/minutes/2008/0825/interview.html
与謝野大臣の記者会見では、興味深い発言がみられます。
>2つ、今後は諮問会議では柱があると思っておりまして、1つは社会保障制度と財政、これの一体的な道筋、これが1つでございます。それから、やはり原油その他の資源、食料等が高騰している中で、やはり日本経済の将来像というものは多くの経営者あるいは国民が描けないでいる。その問題について、やはり諮問会議としては大きなマクロの問題として議論していくと。この2つのテーマは今日お話ししまして、諮問会議の今後のテーマとしていくということに決定をいたしました。
また、まだ最終的には決定しておりませんけれども、この問題を議論することについては、今の民間議員のほかに労働界の代表、経済界の代表また専門分野の学識経験者等に御参加いただいて、幅広く議論を進めてまいりたいと思っております。
今後、諮問会議では社会保障制度とマクロ経済運営が二大テーマで、それは「労働界の代表、経済界の代表また専門分野の学識経験者等に御参加」いただく、ということです。まさに、公労使三者構成で経済政策の道筋を作っていこうということで、ヨーロッパ型コーポラティズムの香りがそこはかとなく漂う感じがします。
もっとも、現在の有識者議員も既に「経済界の代表また専門分野の学識経験者等」に当たるわけですが、この方々については、
>やっぱりそれぞれの民間議員は、それぞれお立場も違いますし、考え方もそれぞれ、また経験も違うわけですから、諮問会議の場で総理が政策運営をやっていかれる上で有用な議論を展開していただきたいと。今後の諮問会議では、民間議員4人がまとまってということよりも、それぞれ自分の信念とする考え方を御披露いただくということのほうが、諮問会議の役割をよりよく達成できるのではないかというふうに私は思っておりまして、そのような運営に心がけたいと思っております。
と、竹中元大臣の下で大田前大臣が参事官時代以来されていたような、議論の方向付けを4人連名の文書で進めていくという運営はやめるという趣旨のようです。
総合対策の中身ですが、その有識者議員提出資料の中に、
>安心・安全の生活設計を支える取組を推進すべき
という項目の一つとして、
>家計にとって最も重要な雇用の安定を図るための非正規雇用対策の拡充、必要とされるスキルの教育訓練の強化等
が挙げられています。
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