国家公務員制度改革基本法案の修正
衆議院HPに、標記修正が載っています。
http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/syuuseian/2_2A22.htm
ただし、
>「○○」を「△△」に改める
という調子の、法制局に通った経験のある人でないとなかなか解読しにくい代物なので、労働法政策に関係あるところを溶け込み条文にしてみると、
まず労働基本権に関わる第12条ですが、原案では
>(労働基本権)
第十二条 政府は、国家公務員の労働基本権の在り方については、協約締結権を付与する職員の範囲の拡大に伴う便益及び費用を含む全体像を国民に提示してその理解を得ることが必要不可欠であることを勘案して検討する。
だったのが、
>(労働基本権)
第十二条 政府は、協約締結権を付与する職員の範囲の拡大に伴う便益及び費用を含む全体像を国民に提示し、その理解のもとに、国民に開かれた自律的労使関係制度を措置するものとする。
となっています。
定年引上げ関係は、第10条です。
>(能力及び実績に応じた処遇の徹底等)
第十条 政府は、職員が意欲と誇りを持って働くことを可能とするため、次に掲げる措置を講ずるものとする。
一 各部局において業務の簡素化のための計画を策定するとともに、職員の超過勤務の状況を管理者の人事評価に反映させるための措置を講ずること。
二 優秀な人材の国の行政機関への確保を図るため、職員の初任給の引上げ、職員の能力及び実績に応じた処遇の徹底を目的とした給与及び退職手当の見直しその他の措置を講ずること。
三 雇用と年金の接続の重要性に留意して、次に掲げる措置を講ずること。
イ 定年まで勤務できる環境を整備するとともに、再任用制度の活用の拡大を図るための措置を講ずること。
ロ 将来における定年の引上げについて検討すること。
ハ イの環境の整備及びロの定年の引上げの検討に際し、これらに対応した給与制度の在り方並びに職制上の段階に応じそれに属する職に就くことができる年齢を定める制度及び職種に応じ定年を定める制度の導入について検討すること。
これが、
> ロ 定年を段階的に六十五歳に引き上げることについて検討すること。
ハ イの環境の整備及びロの定年の引上げの検討に際し、高年齢である職員の給与の抑制を可能とする制度その他のこれらに対応した給与制度の在り方並びに職制上の段階に応じそれに属する職に就くことができる年齢を定める制度及び職種に応じ定年を定める制度の導入について検討すること。
これはなかなか含蓄のある規定ぶりですねえ。ふむふむ、定年を65歳にしちゃったらコストがかかってしょうがないよ、という当然予想される反論に対して、いやちゃんと引き下げられるようにするから大丈夫、という話です。
« 関根・濱口対談 | トップページ | 非正規労働者に年金拡大を 国民会議が中間報告の素案 »
コメント