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2008年5月27日 (火)

労働市場改革専門調査会議事録 on 生活保護

5月8日に開かれた経済財政諮問会議労働市場改革専門調査会については、

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/post_fbbc.html

で紹介したとおり、地方財政審議会の木村陽子さんの報告がされたのですが、その議事録がアップされました。

http://www.keizai-shimon.go.jp/special/work/20/work-s.pdf

木村さんの報告は、全国知事会・全国市長会がまとめた生活保護制度の見直し案がベースですが、あとの議論で佐藤先生との間で、

>(佐藤委員)生活保護基準額と昀賃なり非正規雇用者の収入との均衡について、例えば生活保護を受給している2人世帯の場合、母子家庭の生活保護受給額が 231万円で、昀低賃金で児童扶養手当をもらっている場合は 203万円で、これだと、なかなか生活保護から非正規雇用に移らないだろうということがポイントだと思う。

この場合、考え方として2つあって、1つは生活保護基準額を下げろという議論と、もう1つは非正規雇用者の年収を上げろということだと思うが、先生の主張は非正規雇用者の年収を上げろということなのか。

(木村先生) 私達の主張は均衡を図る必要があるということ。

(佐藤委員)非正規雇用者の方は、御存じのように、数字的に圧倒的に多いのは 114万円台の既婚女子。これが非正規雇用既婚女子の配偶者の年収である 526万円とセットになっている。既婚女子の多くはでこの水準でよいと思っていて、他方で、このことが母子家庭の 203万円を制約している状況がある。

ここはもう前々から議論しているところで、この 114万円のところの人たちが更に上の水準でなければ困るというふうにしない限りは、こちら側は変わらない。これは今日、大沢委員が別の会議で言われていたが、103万円なり 130万円のところの話で、これが変わらない限り、非正規雇用者の年収はなかなか上げられない。114万円の人は労働市場から出ていってもらうか、あるいは 103万円や 130万円を超えて働くというインセンティブをつくらないと、こちら側の賃金が上がらない。

(木村先生) 私達は均衡だから、どちらが高い、どちらが低いということではない。

というやりとりが面白かったです。そりゃ、どっちが高いとか低いとか言えば、それ自体が大騒ぎのもとですからね。

あと、小林さんが就労支援の主体について、こういう興味深いことを言っています。

>政府等がやっている制度は、フリーターの人たちにとっては何となく敷居が高いというか、NPO関係の共同住宅も何となく違和感があって入りづらいとかいうような問題があって、なかなか普及しない。これをどうやって、どういう形ですんなりと入れるようなものにしていくかということだがどのように考えたらいいのか。

>何でこんなことを言うかというと、例のネットカフェも、だんだんビジネスが行き詰まってきて、日々でなくて 30日の長期間で4~5万円の使用料というコースも出てきた。そこで何をやっているかというと、住民票が取れるとか、郵便を受け付けるということをやった上に、就職支援もやるという。どこかを紹介して紹介料を取ろうという話かもしれないが。また、レンタルオフィス・ビルビジネスも、レンタルのネットルームとかいって1か月間小さな部屋を貸して、併せて就業支援を行うというビジネスを始めているという話も聞く。これらの決め手は就業支援、就職支援活動で、ネットカフェなどの方が職業訓練施設に行くよりも、彼らにとっては敷居が低くて入りやすいのではないかと思う。私はそこに一番のメリットがあるだろうと思う。職安にも来たがらない層がいるし、仕事は山谷や釜ヶ崎に行けばあるけれども、何となくあそこは近寄りがたいというところがあって、ネットカフェが一番いいということだろう。ネットカフェ等で就業支援等を担える層が出てくると、そこに支援のお金が出れば、もうちょっとスムーズに就業支援等が行われるのではないかという感じがしているが、そんな考え方は突拍子過ぎるか。

ジョブカフェよりもネットカフェというわけですか。貧困ビジネスと貧困対策は紙一重というところもあるのかもしれませんが。

おそらくもっとも本質に関わる論点は、八代先生とのこの対話でしょう。

>(八代会長)先ほど木村先生より、ワーキングプアと言われる人たちが必要昀低生活費と賃金の差額を福祉給付でもらうというのは避けなければいけないと現場の人が言っているということだが、ある意味、そうすることは逆に非効率ではないか。つまり、色々な賃金の人がいるわけなので、就労と福祉の組み合わせが必要ではないか。

>(木村先生)現場の感覚としては、一旦生活保護を受給し始めると、本当に自立が難しいという感覚を持っている。だから、本当に所得の低い人たちに基本手当との組み合わせではなくて、何かできないかということを思っている。そのことを申し上げた。

>(八代会長)生活保護と同じ考え方だけれども、いわゆる生活保護とは違う第2のシステムをつくる必要があるということだろうか。

>(木村先生)国によって生活保護はテンポラリーなもので、ほかの制度、例えば障害年金で生活保護の代わりをするとか、いろいろある。生活保護にも頼らない制度をつくるとか。それと似ているのかもしれないが、とにかく一旦生活保護を受給し始めたら、卒業しにくいというのが現場の感覚である。

生活保護じゃない形の生活保障システムを考える必要があるのではないかという議論まで、あと少しの所まで来ています。

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