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2008年4月26日 (土)

松下電器子会社の偽装請負、直接雇用成立を認定

世間の関心は長野の聖火リレーに集中している今日この頃ですが(まあ、ウヨもサヨも、固有名詞を入れ替えても同じロジックを喋らなきゃいけないんじゃないかとちらりとでも思う心の余裕はないようですな、それはさておき)、今朝の朝日の1面トップは例の松下プラズマディスプレイの偽装請負の高裁判決でした。

http://www.asahi.com/national/update/0425/OSK200804250070.html

ここはやはり、一昨年来偽装請負キャンペーンを張ってきた朝日新聞としては、1面トップでしょう、というところです。

>違法な偽装請負の状態で働かされていた男性について、大阪高裁が25日、当初から両者間に雇用契約が成立しているとして、解雇時点にさかのぼって賃金を支払うよう就労先の会社に命じる判決を言い渡した。就労先で直接、指揮命令を受け、実質的にそこから賃金支払いを受けていた実態を重視。「請負契約」が違法で無効なのに働き続けていた事実を法的に根拠づけるには、黙示の労働契約が成立したと考えるほかないと述べた。事実上、期間を区切ることなく雇い続けるよう命じる判断だ。

判決はまず、請負会社の社員だった吉岡さんらの労働実態について「松下側の従業員の指揮命令を受けていた」などと認定。吉岡さんを雇っていた請負会社と松下側が結んだ業務委託契約は「脱法的な労働者供給契約」であり、職業安定法や労働基準法に違反して無効だと判断した。

 そのうえで、労働契約は当事者間の「黙示の合意」でも成立すると指摘。吉岡さんの場合、04年1月以降、「期間2カ月」「更新あり」「時給1350円」などの条件で松下側に労働力を提供し、松下側と使用従属関係にあったとして、双方の間には「黙示の労働契約の成立が認められる」と認定した。この結果、吉岡さんはこの工場で働き始めた当初から直接雇用の関係にあったと結論づけた。

 松下側が06年2月以降の契約更新を拒否したことについても「解雇権の乱用」で無効と判断した。

 さらに、吉岡さんが期間工として直接雇用された05年8月以降、配置転換で単独の作業部屋に隔離されたことについて、「松下側が内部告発などへの報復という不当な動機や目的から命じた」と認定した。

 昨年4月の大阪地裁判決は「偽装請負の疑いが極めて強い」として、就労先には労働者を直接雇用する義務が生じるとの判断を示す一方、雇用契約の成立は否定していた

うーーん、「黙示の雇用契約」論ですか。かつて派遣法が出来る以前には、請負と称する実質労働者供給事業について、そういうロジックが用いられたことはあるんですが、派遣法が出来てそれが合法化されたあとではほとんど用いられなくなった議論ですが、久しぶりに出てきました。

ただですね、かつても、黙示の契約論にはかなり批判も強くて、最高裁に上がって維持されるかどうかはかなり疑問な面もあります。

わたしは、そもそも派遣であれ、労供であれ、請負であれ、労働法制は契約で判断するのではなく、実態で判断するのが原則と思っているので、無理に契約論にはめ込む黙示の契約論にはいささか疑問があり、契約はともあれ実質に応じて使用者責任を負うというのが一番すっきりすると思っているのですが、それは法律家の発想とはずれているんでしょう。

まあ、いずれにしても注目すべき判決が出されたことには違いありません。そのうち判決文もアップされるでしょうから、その段階でまた詳しいコメントを。

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