後藤和智『「若者論」を疑え!』
「ニートっていうな!」の、というより、ネット界では「新・後藤和智事務所」と「雑記帳」で有名な後藤和智氏(現在、東北大の工学系の博士課程)の新著です。わざわざお送りいただきありがとうございます。
巻頭に、本田由紀氏との対談が入り、章の間には佐口賢作氏(例の「派遣のリアル」のリアルなドキュメントを書かれた方)のドキュメントが挟まっていますが、後藤氏の単著といっていいでしょう。
>『ニートって言うな!』(光文社新書)の著者、後藤和智氏が一般に報道等がされている「若者論」に対しメスを入れる知的エンターテインメントです。フリーター・ニート社会悪論、キレる若者、携帯によるコミュニケーション不全化論、少年犯罪凶悪化論、オタクバッシング、他人を見下す若者論などに対し、「世間でもっともらしく語られている若者論には嘘がある!」をテーマに、詳細なデータと若者へのルポを交えて分析した1冊です。
対談では、本田氏が冒頭「今日は、私は後藤さんのお考えを引き出すような、聞き手の役割」といいながら、半ば以降は「Nobody is perfect!」と、本田節全開ですが・・・。
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採り上げてくださいましてありがとうございました。一つだけ指摘させていただきますと、
>東北大の工学系の博士課程
正確には「博士課程前期」で、要するに修士課程です(東北大ではこういう表現を使います)。あしからず。
投稿: 後藤和智 | 2008年4月 7日 (月) 22時28分
はい、奥書にもちゃんと「博士課程前期在籍」とありました。
あとがきによると、「当初の原稿が、あまりにも毒が強すぎたこともあり、幾度かの修正を経て現在の形に至りました」とのことで、いささか残念な気がします。
あと、注で名前を出しているとはいえ、本文では「ある現代思想家」とか「ある精神科医」とか「ある教育心理学の専門家」とかと、名前を出さないようにしているのは、かえってどうなのかな、という印象です。
投稿: hamachan | 2008年4月 8日 (火) 12時30分