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白山ひめ神社御鎮座二千百年式年大祭

これはまったく労働法政策とは関係ありませんが、ある政治的主張を通すために、一見使いやすい「正義」を持ち出した結果、それが暴走してとんでもない方向に走ってしまう一つの事例として。

http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20080417102937.pdf

平成20年04月07日名古屋高等裁判所 金沢支部

白山ひめ神社御鎮座二千百年式年大祭奉賛会損害賠償請求控訴事件(平成19(行コ)11)

>白山市長であるAが同市の職員を同行して白山ひめ神社御鎮座二千百年式年大祭の奉賛会発会式に出席し白山市長として祝辞を述べたところ,白山市の住民である控訴人が,上記行為は,特定の宗教を助長,援助,促進する効果があり,政教分離原則に違反し違憲であり,これに伴う公金支出は違憲・違法であるとして,地方自治法242条の2第1項4号本文に基づき,白山市の執行機関である被控訴人に対し,Aに対して,上記支出額相当の損害賠償金1万5800円及び遅延損害金を白山市に対して支払うよう請求することの義務付けを求めた住民訴訟の控訴審。

>白山市長が来賓として白山ひめ神社御鎮座二千百年式年大祭の奉賛会発会式に出席し白山市長として祝辞を述べた行為が憲法20条3項の禁止する宗教的活動に当たり,これに関する費用等につき公金を支出することは違法であるとされた事例

政教分離というのはもちろん一つの正義ではありますが、世界遺産登録をめざす白山の伝統文化の中心である白山ひめ神社の2100年式年大祭で式辞を述べるのまで違憲だなどという馬鹿げた結論が出るなどと云う事態はやはり異常でしょう。

もともと、この手の訴訟は、靖国神社とか護国神社といった明治に作られた国家神道のナショナリズム機能に対する政治の関与を追及することが主たる目的だったのではないかと思われます。それについてはいろんな考え方があるでしょうが、少なくとも、国家のために命を投げ出した戦死者を追悼することを通じて近代的ナショナリズムを推進しようという立場をめぐる論争なのであって、こういう固有信仰に一切公的部門がかかわるななどという話ではなかったと思うのですが。

まあ、しかし、憲法20条の政教分離という便利なものを使えば追及しやすいものだから、もっぱらそればかり使っていくと、その本来の目的から乖離して勝手に暴走をはじめ、なにやらおよそ宗教的な行事にちょっとでもかかわれば違憲だみたいな信じがたい方向に突き進んでしまうわけです。

この手の訴訟は最初からねじれているんですが、最初はねじれながらもその意図はある意味明確であったものが、ねじれた議論をねじれたまま無理やりに突き進めていくと、こういうまったく訳の分からないところにいってしまう。

他の分野でも気をつけるべき点でしょう。使いやすい正義に過度に頼ると必ずそのツケが回ります。

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