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2008年2月12日 (火)

労働タスクフォース第8回議事録

昨年5月に行われながらずっと公開されないままであった規制改革会議労働タスクフォース第8回議事録がようやく公開されました。

http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/minutes/wg/2007/0521_02/summary052102.pdf

今回のお相手は厚労省(労働部門)の中堅どころの面々です。

労働基準局監督課 岸本調査官
労働基準局勤労者生活部勤労者生活課 吉田課長補佐
職業安定局雇用保険課 宮川課長
職業安定局需給調整事業課 坂口課長
職業安定局若年者雇用対策室 阿部室長
雇用均等・児童家庭局短時間・在宅労働課 高崎課長
政策統括官付労働政策担当参事官室 山田参事官

トップバッターの岸本氏のパートを引用します。

>○岸本調査官 それでは、提出させていただきました意見の順に沿ってということで御説明を申し上げます。まずは労働基準局でございます。よろしくお願いいたします。
本日、問題意識の記述であるにもかかわらず、このような機会を与えていただきまして、まずはありがとうございました。見解の相違にわたる部分もあるのかもしれませんが、とりあえず提出させていただいた意見を御説明します。
まず、最初のページでございます。これは問題意識の最初のページの第2段落の中ほどでございます。解雇規制について厳しい要件を課され、人的資源の機動的な効率化・適正化を困難にし、再チャレンジを阻害しているという部分でございます。これについては、内容的には3ページの意見ともつながっているかと思いますので、まとめて申し上げさせていただきます。
今回、解雇規制を始めとする労働保護規制といいますか、労働基準関係の法規制につきまして、お立ちになられている基本的な立場としまして、情報の非対称性を解決することが本質的な課題である。そこで市場の失敗が生じているのを是正するのが労働法の役割と考えるべきではないかというお考えがベースにあるのではないかと思います。
私どもとしては、それは勿論、情報の非対称性は一つの労働者保護の観点から重要な視点だと思いますし、そういったことで、例えば労働基準法において労働条件の明示義務を課するとか、あるいは別の法律では求人の際の条件の明示義務を課するとか、そういう法規制を設けているわけでございますが、問題はそれ以外の法規制がすべからく不合理で、情報の非対称性を解消するという目的以外の法規制は要らないと言えるのかどうかということでございます。そこはそれこそ政策論であるのかもしれないのですが、せっかくの機会をいただきましたので、出させていただいた考え方は1ページ、3ページ、大体、同じようなことを最初の段落は書いてございます。
1つは、交渉力といいますか、労使間で持っております資産も違いますし、それから、交渉相手の数といいますか、会社にとっては100 人の従業員がいれば、100 人のうちの1人とのトラブルである。でも、労働者本人にとってはその会社を首になるかどうかは、即、明日からの不安定につながるというようなことが、実際、労使間の立場としては多いかと思います。そういった場面を考えますと、労働法というのはそういった場面が出発点であるようにも思いますが、交渉力の差があって、それを補完するような法規制を設けることが公正さの観点から必要であるという考え方があるのではないかと思います。
そうした交渉力の格差といったことについて、必ずしもどういった整理でこういう結論になったのかはうかがい知ることはできないのですが、いずれにしましても、情報の格差、情報の非対称性を是正することで労働法が以上終わりということではないのではないかというふうに、基本的な考え方としてもそう思うところでございます。
また、それは労働法だけではなくて、消費者契約法でも交渉力の格差ということは目的に書かれていますし、免責条項を一部無効にするとか、そういうのはなかなか情報の非対称性だけでは出てこない話なのではないか。あるいは独禁法の優越的地位の濫用とか、ああいうものも説明がつかなくなるのではないかと思いますが、勿論、ああいったものも不要だという議論はあるのかもしれませんけれども、まず考え方の入り口としてはそういう点がございます。
そういったことから、私ども、初歩的な公共政策に関する原理を理解していないからこう思ってしまうだけなのかもしれませんが、そういった観点が必要ではないかということから、1ページ目や3ページ目の意見を出させていただいています。

濱口さんは言いたいことが言えていい身分ですねえ。私はこんなに平身低頭しながらじゃないと同じことが言えないんですよ、という腹膨るる思いが伝わってくるような言葉の数々でありますな。「私ども、初歩的な公共政策に関する原理を理解していないからこう思ってしまうだけなのかもしれませんが」なんてのは、分かってる人にはわかる役人として許される最大限の皮肉を効かせた言葉なんですが、さてどこまで伝わっていることやら。

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コメント

>濱口さんは

出席者:【規制改革会議】福井主査、和田専門委員

かつ、和田専門委員は弁護士なので、福井主査へ向けての発言でしょう。
福井先生は古いタイプの官僚気質をお持ちの方とうかがっております。

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