日本企業は財務主導の悪循環に陥っている
日経ビジネスオンラインの記事。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/pba/20080214/147229/
>バブル経済の崩壊後、年齢に関係なく社員一人ひとりの業績に基づいて処遇を決める成果主義型の人事制度を日本企業の多くが取り入れた。しかし、それによって人事制度の面で欧米のグローバル企業と肩を並べたと思うのは幻想に過ぎない。彼らは早くも次のステージへと進んでいる。
こういう、なんでも日本が遅れている、ぐろーばるをみならわなくては・・・という発想が実は「失われた十数年」の混迷の原因なのではないですか?と問い返したいところはありますが、それにしても、次の一節は、一昔前に流行っていためりけん風のぐろーばるに未だにいかれていらしゃるみなさんには一服の清涼剤になるのではないでしょうか。
>社員の管理に利用している指標でも、世界全体と日本企業とでは大きく異なっています。日本企業の回答で多いのは、従業員1人当たりのコスト、利益、売り上げといった財務に関連する指標です。一方、世界全体では従業員の定着率や離職率、労働意欲や満足度を活用しているところが多い。
>この違いから分かるのは、日本企業は財務上の結果ばかりを重視しているのに対して、海外の企業は離職率や満足度を通して従業員そのものをしっかりと見ていることです。
実際、欧米の企業の多くは社員満足度の調査を定期的に行っています。例えば、キャリアや機会をきちんと与えられているか。仕事をする環境に不満はないか。同僚との関係はうまくいっているか。ビジョンを明確に示せるリーダーはいるか。
IBMの場合はこれらの項目について毎年調査し、どれだけ改善しているかを把握しています。そして満足度の低い項目があれば、改善策を考えて実行する。このように社員満足度調査の結果を分析して、人事施策へと結び付けています。
日本企業が財務指標ばかりを見るようになったのは、おそらく長い不況の中で財務主導によって数字が先に来るようになったからでしょう。もともとは人材を大切にしたり、徒弟制度的に人を育てていく文化が日本企業にはあった。それが不況で次第に余裕がなくなり、新卒や中途社員の採用を抑制した。
その弊害がここにきて表れています。20代から30代の社員がほかの世代に比べて少なく、ノウハウや技能の伝承が進まない。不況の中で新しいことに挑戦することもままならず、社員としての能力も向上しない。
>こうした悪循環の中で、数字ばかりを追い求める傾向も強まっています。日本企業から価値観やビジョンといったものが失われた理由もここにある。以前にグローバル企業を調査した時に途中から気づいたのですが、欧米のグローバル企業は、ウェブサイトの社員募集のページにミッション(使命)とかビジョンを明示しているケースが多いのです。
「自分たちはこういうミッションを持っている。賛同する人は当社で一緒にビジネスをしよう」。こうした姿勢が強いのでしょう。日本は単一民族ということもあって、ミッションやビジョンの必要性を強く感じてはこなかった。経済のグローバル化に伴って、外国人社員の採用や登用の必要性が高まる中、ミッションやビジョンを明確に掲げることに日本企業も取り組むべきでしょう。
企業にとって今、人材が最大のアセット(資産)になってきています。このアセットを十分に活用するためには、財務一辺倒の管理から脱却して社員の離職率や満足度も重視する形へと転換することが急務です。
あのさあ、そういうのをふるくさいじゃぱん風だといって捨てろ捨てろと言いつのってきたのが、日経病にかかっていらしたころのぐろーばるなみなさんじゃなかったでしたっけ。
ちょうど十年前、よーろっぱから帰ってきたばかりのわたしは、世の中の流れと真っ向から逆向きになってしまって、たいへんさみしいおもいをしたものですよ。
まあね、日本では、何かいおうとすると「出羽の守」にならないとなかなか聞いて貰えない。
IBMをもちだして日本企業の財務主導を批判するというのもなんだか皮肉だけど、まあ、そういうソシオグラマーの中でやるしかないわけで・・・。
« 欧州労使協議会指令改正を協議 | トップページ | 日雇いは三日やったら・・・ »
全部言う通りだけど、はまちゃん自重www
投稿: ちょwww | 2008年2月19日 (火) 11時34分