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バカで浮気で無責任

ここ十数年にわたって、日本型システムは古い、アメリカ型に変えるべきだという論調の先頭に立ってきた組織の一つである経済産業省が、ようやくまともなことを言い出したようです。

http://www.asahi.com/business/update/0207/TKY200802070395.html

>北畑氏はデイトレーダーについて「経営にまったく関心がない。本当は競輪場か競馬場に行っていた人が、パソコンを使って証券市場に来た。最も堕落した株主の典型だ。バカで浮気で無責任というやつですから、会社の重要な議決権を与える必要はない」と発言。デイトレーダーに適した株式として、配当を優遇する代わりに議決権のない「無議決権株式」を挙げ、上場解禁を唱えた。

 米系投資ファンドのスティール・パートナーズを名指ししたうえで、「株主、経営者を脅す」と発言。「バカで強欲で浮気で無責任で脅す人というわけですから、七つの大罪のかなりの部分がある人たちがいる」などと話した。

まあ、表現は大月隆寛氏なみにあまり品がないのは確かですが、そして下品な表現は適切に修正される方が宜しいとは思いますが、言ってる中身はそのとおりでしょう。

ただ、まさにそういう風潮を煽ってきたのが、90年代以来の御省だったのではないですか、村上世彰氏などは決して異分子だったわけではなくて、そういう風潮の先端にいたんじゃないんですか、と言いたくなる人も結構いるんじゃないかとは思いますけど。

まあ、そういう愚かな連中を一掃したのが北畑次官だったということなのかも知れません。よその役所の内部事情はよく判りませんが。

(追記)

昨年末、経済産業省はこんなことを始めていたんですね。

http://sankei.jp.msn.com/economy/business/071124/biz0711242038007-n1.htm

>株主重視の短期的利益追求型の企業よりも、長期的視野をもって顧客や従業員、取引先などを大切にする企業の方が、持続的に成長する-。経済産業省はそんな仮説を立証するため、省内に「会社のかたち研究会」を立ち上げる。25日から国内外の企業経営者らから聞き取りを始め、来夏に「企業のあるべき姿」をとりまとめるという。場合によっては会社法の改正にもつなげる考えだ。

 同省が研究を始めるのは、日本企業の良さといわれた長期的視野に基づく経営姿勢が薄れ、株主の意向に従って短期的な利益を追求する米国型経営が主流になってきたことに対する疑問がある。

また、買収などの強引な要求を突きつける投資ファンドへの反発もある。 同省では「米国でも長期継続している企業は、短期利益追求型ではない」との考え方をしており、歴史がある米企業が投資資金や内部留保を行った後に株主への配当を行う事例が多いことなどを示して仮説を立証する方針だ。

なるほど、経産省は路線転換を図ろうとしていたわけですね。北畑発言はまさにそれを明確にしたわけです。

「バカで浮気で無責任」な政策のために失われた10年を取り戻すのは大変結構なことです。ついでに、この10年間よその役所に「あの規制も要らない」「この規制も要らない」と無責任に言い続けてきた事項についても、適切な再検討再評価をされてはいかがでしょうか。

労働法制に対しても、これまで規制緩和一辺倒だった経済産業省が「長期的視野をもって顧客や従業員、取引先などを大切にする企業の方が、持続的に成長する」と発言すれば、それはそれなりに重みがあると思いますよ。

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コメント

濱口さま。いつも楽しく拝読させていただいています。基本的には貴殿の仰るとおりかと思います。
しかし、他方で先日(08年2月3日)のサンデープロジェクトでは、木村剛氏と竹中平蔵氏が”スティールのような株主を排除する日本の市場は閉鎖的だ云々、だから外国人投資家が逃げていくのだ云々”というような論陣を張っておいででした。こういう方々が元気に発言している様子を見ると、外野からは本当に一掃されたのか少し不安に思われます。

投稿: みのりん | 2008年2月 8日 (金) 19時56分

そもそも株式上場しなければいいような…

投稿: というか | 2008年2月 8日 (金) 20時32分

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