エコなだけではソーシャルじゃない
新聞各紙とも結構大きく報道しているとおり、EUの欧州委員会が温室効果ガス削減に向けた数値目標を提案したようです。
http://www.asahi.com/international/update/0123/TKY200801230343.html
>欧州連合(EU)の行政機関の欧州委員会は23日、温室効果ガスを2020年までに90年比で20%減らす目標達成のため、二酸化炭素(CO2)排出量取引の強化とともに、取引対象外の分野についても温室効果ガス削減の国別数値目標を加盟各国と欧州議会に提案した。05年に比べ平均10%減らす。北海道洞爺湖サミットを控え、数値目標設定に消極的な日本や米国に圧力をかけ、世界の環境政策で主導権を確かにする狙いがある。
EUは電力や鉄鋼などの産業分野でCO2排出量取引を行っているが、今回の国別数値目標は運輸やサービス、農業など排出量取引制度に加わらない分野が対象。域内排出量の約6割を占める。1人当たりの国内総生産(GDP)などを基準に、20年までに05年比でどれだけ減らすかを加盟27カ国ごとに算出した。
所得が高いルクセンブルクやデンマークが20%、英国が16%、フランスとドイツがそれぞれ14%の削減を義務づけられる。一方、所得が低いブルガリアは20%の増加を認める。EU平均では10%削減を達成する。
正式決定には、加盟27カ国による閣僚理事会と欧州議会の承認が必要。欧州委は年内の承認に向け加盟国と調整する。
ほうほう、エコじゃのお、クリーンじゃのお、大変結構なことじゃのお。ところで、なんで労働法政策のブログで取り上げるんじゃの?
それは欧州労連が即日声明を発表したからです。そりゃ大賛成だといっとるんじゃろうて?いやいや、とんでもない。本音は反対です。
ええと、現時点ではまだ英語版は載ってなくて仏語版だけですが、おって英語版もアップされる予定です。
>la Commission fait des propositions importantes mais nous avons aussi besoin de garantir l’emploi en Europe dans un contexte mondialisé.
つまり、環境も大事かも知れないが、俺たちの仕事も大事だぞ、ちゃんと雇用を保障しろよ。
ったく、労働組合というのはエコじゃない保守オヤジの塊りだなあ、と思ったあなた。それはそもそもそういうものです。
>La Confédération européenne des syndicats (CES) considère que ce paquet est un pas significatif, cependant, elle insiste sur le fait que les questions sociales et les questions liées à l’emploi doivent être prises en compte notamment dans un contexte mondialisé. L’importance des enjeux économiques et sociaux et la communautarisation croissante de la politique climatique de l‘Union impliquent l’ouverture d’une véritable négociation sociale sur les futurs plans « climat » de l’Europe.
エコなだけではソーシャルじゃない。クリーンなだけでは喰っていけない。まあ、そういう話ですね。
« モラルハザード異聞 | トップページ | 占領がなくても戦後改革はおこなわれた! »
コメント